素晴らしい決定が出たので、敬意を表し、テキスト化しておく。
なお、控訴審の決定では事の経緯がよく分からないため、
できれば、一審の裁判も欲しい所である。

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平成27年(家イ)第9号(基本事件平成27年(ネ)第2372号)
決定

本籍 ○○○○
住民票上の住所 ○○○○
控訴人 ○○○○
同訴訟代理人弁護士 中山雅雄

本籍 ○○○○
住所 ○○○○
被控訴人 ○○○○
同訴訟代理人弁護士 杉山程彦

当裁判所は,上記事件について,調停が成立しないので,
家事事件手続法
274条5項,
284条1項
に基づく裁判をするのを相当と認め,
本件当事者双方のために衡平に考慮し,
本件紛争の内容,経緯及び控訴人の生活状況その他一切の事情を考慮して,
次のとおり決定する。

主文
 1 控訴人(昭和45年○月生)と被控訴人(昭和43年○月生)は,離婚する。
 2 控訴人と被控訴人間の長女○○(平成19年3月○日)の親権者を母である控訴人と定める。
 3 控訴人は,被控訴人に対し,以下のとおり,長女○○と直接面会交流汲させるものとする。

(1)原則として,毎月2回,いずれも
   金曜日の午後6時ないし午後7時から,
   翌々日の日曜日の午後5時まで
   2泊3日
  (同日曜日の翌月曜日が祝日の場合は当該月曜日の午後5時まで3泊4日)
   の宿泊付き面会交流

(2)8月(長女○○の学校の夏休みの期間)については.連続して7泊8日の宿泊付き面会交流

(3)上記各面会交流の実施に当たり,控訴人は面会交流に立ち会ってはならないものとする。

(4)上記各面会交流の開始に当たっては,被控柝人が,面会交流の開始時刻までに控訴人宅に長女○○を迎えに行き,
   面会交流の終了に当たっては,被控訴人が面会交流の終了時刻までに○○まで長女○○を送り届け,
   控訴人が長女○○を同駅に迎えに行くものとする。 

4 控訴人と被控訴人は,前項の面会交流の日程を定めるに当たっては,事前に控訴人と被控訴人間で協議するものとする。
  なお.前項で合意した面会交流のほかにも,
  控訴人と被控訴人は,
  長女○○の学校の春休みの期間及び冬休みの期間中に,
  前記3項(1)の原則を超える日数の宿泊付き面会交流を実施することにつき,
  子の福祉に配慮しつつ,上記各休みの開始の相当期間前に協議して,その日程等を定めるものとする。

5 前記3項の各面会交流の実施に当たり,
  長女○○が病気その他子の福祉の見地から客観的にみて当該面会交流を延期することがやむをえないと認められる事情を生じた場合には,
  控訴人と被控訴人は,
  協議して当該面会交流の日に代えてこれと同等の面会交流の日を定めるものとする。
  なお,上記場合において,控訴人は,病気その他当該面会交流を延期することがやむを得ないと認められる事情の発生について,
  被控訴人に対し,速やかに連絡をするとともに,
  可能な限り客観的な事実や資科に基づく説明をし,
  できるだけ被控訴人の理解を得るよう努めるものとする。

6 控訴人は,前記3項の面会交流の期間以外の日に,
  被控訴人が,長女○○に対し,
  被控訴人が,長女○○の就寝前に10分前後,電話による通信を行うことを認めるものとする。
  なお.上記通信に当たっては,被控訴人が,長女○○に対し,
  被控訴人以外の者からの通信を受信することが制限された子ども用の携帯電話を与えて行うことを認めるものとし,
  控訴人は,同電話が上記時間帯に使用可能となるよう充電等に配慮するものとする。

7 控訴人と被控訴人は,
  被控訴人が長女○○と面会交流することが法律上認められた権利であること及び
  面会交流の権利の行使に当たっては子の福祉に配慮することを要することを踏まえ,
  控訴人が面会交流の実施を不当に拒んだ場合には
  その事実が今後の審判等により控訴人に不利な判断がされることもあり得るとの認識の下,
  長女○○ 成長にとって,控訴人の下での安定した生活の確立が重要であると同時に,
  長女○○が被控訴人との間でも安定的に交流を継続し得る関係を築くことが重要であり,
  そのような環境を整えることが親としての責務であることを自覚し,
  長女○○のために円滑かつ安定的な面会交流を実現する上で必要な限度の協力関係を維持継続するよう努めるものとする。

8 控訴人と被控訴人は,前記面会交流の実施に当たっては,
  長女○○の心情の安定に配慮し,
  長女○○にとっては今後も
  控訴人が母であり,
  被控訴人が父であること
  に変わりがないことを念頭に置いて
  互いに相手を非難ないし誹謗中傷するなどして徒に不信感を助長するようなことがないよう誓約するとともに,
  それぞれが○○に対し,自らの良さを発揮することによって○○の成長を支援し,
  ○○が将来成人した後も同人との信頼関係が保たれるような言動に努めるものとする。

9 控訴人と被控訴人は,
  長女の養育費の支払のほか,
  離婚に伴う財産分与及び過去の婚姻費用の支払の有無・内容については,別途協議するものとする。

10 控訴人と被控訴人は、控訴人と被控訴人間には、
  本件
  (前項の別途協議の対象となる事項を除く。)
  に関し,本条項に定める以外に債権債務がないことを相互に確認する。

11 手続費用は各自の負担とする。

平成27年8月11日
東京高等裁判所第9民事部
裁判長裁判官 奥田正昭
   裁判官 吉村真幸
   裁判官 関口剛弘

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