読んでみた。「裁判の女性学 女性の裁かれ方」著 福島瑞穂
裁判の女性学―女性の裁かれかた (有斐閣選書)/有斐閣
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1997年初版と10年以上前の本なので、現在では、あまり参考にならないかもしれない。
女性の味方の本である。
客観的に論評するよりも、偏った意見があるほうが、議論になりやすいので面白かった。
主張としては、男女平等を目指すものとしては、まっとうな意見であるように思われる。
ただし、男女平等については、女性の環境の前に、
まず女性全般が、男性並みの努力や過酷な環境を受容することがまず必要であろう。
著者は、弁護士であり、並々ならぬ努力をしているであろうから、
男女平等を求めてもいいと思うが、
「女性全般を男性並みに扱え」というのは、
女性としても望むところではないのではなかろうか。

離婚問題にかかわっている身として、一番興味深かったのは、1985年(昭和60年)において、
裁判所が、「妻に対する性交要求権」を夫に認めていた点である。
「結婚は両性の性的結合を前提とする。したがって、
夫が妻に対して、性的交渉を強要したからと言って何ら違法性はないし、
また妻の側に性交を拒否する権利はない。
(もちろんダメな場合もあるけど、常識の範囲ならOK)
(たぶん同居中の場合ですよ。破綻別居中はダメ)(意訳)

東京地方裁判所八王子支部、夫婦間の強姦による離婚請求棄却1985年2月14日

DV法とかもあるし、
すでに判例変更されてるかもしれないけど・・・。

こういうことって、デリケートな問題だから、
法律ではなかなか決めにくく、勘違いする女性が増加するんだけど、
この判決は本音をズバリ言ってて気持ちいいね。
自己の世界観を確立している裁判官だよ。
これぞまさに「裁判官の独立」って感じだね。

著者は、「女性には、性的自己決定権があるから、性交拒否しても問題ない」という。

もちろん、いつでも、毎日でも、応じろと言うつもりはないが、
拒否しっぱなしはダメでしょ。
それなら、離婚しろっていうの!・・・って女性が離婚を請求した裁判でしたね。

まあ、しかし、著者も、女性の権利を持ち上げたいのは分かるけど、
「結婚しても、性交要求権はない」なんて主張して、
それが通る国なら、結婚する男がいなくなっちゃうよ。
この著者は、さらに、貞操義務の廃止まで主張している。
つまり、結婚してても、浮気OKの自由恋愛だ。
・・・結婚を何だと思っているのか・・・。
ただし、現在の日本ではそれほどおかしな主張でないところが怖い。
奥さんの浮気なんて聞いても現代では驚けないもんね。
男女平等の本質は最終的には個人主義になろうかと思うので、
最終的には、結婚制度を否定するつもりかもしれない。
まあ、外国では、無過失離婚と言って、
一方が離婚したいと言えば、それで離婚できる国もあるらしい。
結婚の本質からすればそれもありだと思う。
そのかわり、結婚が生活保障になっておらず、
たぶん財産分与は生じないのではなかろうか。
また、共同監護も確立されていると思う。

ところで、
浮気、援助交際、買春、セクハラ、痴漢等々男性の問題行動は
奥さんが夫の性欲を放置してることに問題の根があろうかと思う。
奥さんが、週に一度くらい、きっちり抜いておけば、
そうそうムラムラしないと思うけど。
夜のお勤めっていうでしょ。
昔の人はよくわかってた。

男には性欲があるものだし、
それが家庭で処理されないなら、
家庭外に求めるしかない。
それが不倫を生じさせ、
不倫に巻き込まれた女性は、自らの選択の結果とはいえ、
結婚できず、したがって、出産もできない。また、
セクハラ、痴漢等の被害者は男性不信に陥り、
これまた結婚できないこともあろう。

結局のところ、奥さんの性交拒否は
結婚の本質に反する重大な義務違反であるし、
国家の風俗を乱すという意味で、国家に対する義務違反でもある。
そのような女性は法的保護に値しない。

ところで、本事件では、
夫はなんで、離婚しないのかが本文では謎だが、
私のように幼い子供がいたのかな~。