「麻のこと聞きに行くか~」
図書館へ本を返しに行ってから、いざ愛荘町(あいしょうちょう)の「手織りの里 金剛苑」へ。
(ポコが興味を持っているので、ちょっと遠いけど・・・)
麻との関わりは、まだ東京に住んでいた頃に。
ヨーロッパでの麻の栽培・麻繊維の利用をテーマとするセミナーを見つけて恵比寿に行きました。
(当時の自分の生活とは無関係でしたが、農業に関心があったので、何となく・・・)。
その後、ヘンプの本を読んでいろいろ調べたり、麻の実料理を食べに下北沢に行ったり。
やや重い引き戸を空けて古民家の中に入ると、中は薄暗く、織物などが販売されていて、
ストーブ近くに3人の方が腰掛けていました。
「滋賀の麻織物のこと調べたいんですが、資料とかあったら見せてください。」
「資料って言われてもなぁ~、パンフレットならあるけど・・・」
近江上布伝統産業会館のパンフも渡され、
「うちは織物の体験とか販売やってるだけやから。ここに行ったら詳しいこと聞けるかもなぁ」
「・・・そうでしたか・・・。おおきに、ありがとうございます」
地図を適当に見つつ、案の定道に迷いつつ、何とか伝統産業会館へ。
かつて、麻(ヘンプ)で織られた近江上布は近江国の特産品でした。
しかし、海外の安い製品の流入や大麻取締法による栽培規制のために、麻織物は衰退し、
数社が苧麻(ちょま、ラミー)で織っているようです。
「長期で麻織物の講習を受けられますか」と聞いてみたら、
「やってますよ。興味あるなら2階で展示してる道具とか見てみます?」
「近江」の機が数台ありました。
機の構造(座る位置の高さや足で操作する部分など)は地域によって異なるそうです。
長期講習は、習う人のペースに合わせて、糸紡ぎから織物完成まで教えてくれるとのこと。
「ほんまに、ポコは習う気あるのかなぁ~」
麻織物の技術が残っているのは、日本では3箇所くらい。
(愛荘町、福島県昭和村、伊賀のすぐ隣の奈良市月ヶ瀬)
しかも、麻織物を「気軽に」習えるのはここだけらしいです。
(昭和村は「転入(=引越し)」が、月ヶ瀬は「奈良晒保存会への入会」が必要。
なお、月ヶ瀬の技術は高く、愛荘町の技術者の方もわざわざ習いに行ったとか)
さらに、麻栽培はハードル高いし・・・うぅーん。
「昔、滋賀県の許可を取って、うちでも麻(ヘンプ)を栽培したこともあったんです。
それが新聞に載ったら、栽培場所を尋ねる怪しい電話が何件かかかってきて・・・」
「ほんま、ややこしいですよねぇ、麻は・・・」
奥の黒い織り機(高機)には製作途中の布がありました。
縦糸に麻、横糸に綿を用いており、
「この近所に綿を作っている人がいて、頼まれて試作しているんです。」
やっぱりいるやん、綿作ってる人!
その方は酒屋さんで、2/5~6に農家宿泊ツアーを実施するようです。
「よかったら、行ってみて、お話しはったらどうです?」
「この日は千葉で糸紡ぎやるんですわぁ、残念やな~」
けど、貴重な情報を得られてよかった~。
念ずれば花開くのかなぁ。