便利さとともに失った便利さ | 農援団長日記

便利さとともに失った便利さ


農援団長の日記 【フィールド・コープwith旭愛農】

さつま芋など年間を通じて20種類の野菜を作っている酒井さん。


酒井さんちでのさつま芋の食べ方は、ストーブの上に水の入ったヤカン、そして石を入れて芋を蒸す。

酒井家の秋から冬にかけてのおやつの定番だ。酒井さん自身も、酒井さんのお子さんたちも、そしてお孫さん達もこうやってずっと食べているのだ。


ストーブはもちろんこんな感じのものだ。

一般的に開放式と呼ばれているもの。



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皆さんのお宅にはあるだろうか?

ほとんどの方がファンヒーターもしくはエアコンではないかな?と思われる。


開放式ストーブは、ガスタイプのものと灯油タイプのものがあるが、農家使用するそのほとんどが灯油タイプ。

電源は、単1の電池で着火する。電池の交換がそのうち面倒くさくなるから、マッチでつけたものだ。


農家は、日のあるうちに農作物の管理作業や収穫作業をする。そして、作業場(さぎょうば)や働場(はたらきば)というところで袋詰めなどをする。これからの冬場のほうれん草、小松菜、春菊などの葉物が最盛期になるとやっぱ詰め切らないので夜仕事をすることとなる。

そこで登場するのがこの開放式ストーブ。やっぱり暖房がないと手がかじかんでしまうのでつける。

ファンヒーターだと送風機能があるので収穫してきた野菜が乾いてしまうので向かない。


農家の晩御飯は、サラリーマン家庭とは違いことの他時間が早い。


うちの祖父母は、冬場春菊を栽培していた。18時ごろはもう真っ暗だから仕事を一旦切り上げて食事をとる。

テレビなどを見てお茶を飲み少し休んでから袋詰め作業をしていた。

私も子供の頃よく手伝わされた。21時をすぎると少し小腹が減ってくる。そこで、開放式ストーブの上にさつま芋をのせて温める。もちろん、この時点のさつま芋は午後のおやつ用に蒸してあるものだが、ストーブの上でじっくりと加熱することで、より味に深さが増す。とてもおいしかったと記憶している。

お正月近辺なら伸し餅を切って焼いたり、2月くらいになるとかき餅を揚げずにストーブの上でお煎餅みたく焼く。


ファンヒーターなどと違い、開放式ストーブには速暖機能は無いがいろいろと使える面が多い。

ヤカンをかけておけばいつでもお湯は沸いているし、部屋の加湿になる。わざわざ加湿機などを設置しなくても良いというわけだ。


開放式ストーブ。ホームセンターなどでは激安で売っている。


なんてノスタルジックだと思うかも知れない。


化石燃料を使用するからエコっぽくないと思われるが、使い方によっては省エネにつながること間違いなし。


この冬ぜひ1台どうですか?