謎の卵嚢…? | 弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学公認サークル「フィールドサイエンス研究会」(F研)のブログです。 弘前大学を拠点に,海・川・山林で生物の観察や採集をしています。
毎週月曜日18:00~農生棟203で定例会を行っています。

先日、とある先輩にらもった卵嚢。

私がクモ好きなのを知ってか、「クモの卵嚢ではないか」ということでとってきていただきました。平べったい形で、触ってみるととても硬い・・・

なんとなくクモっぽくないなぁとは思いつつ、クモの卵嚢の観察は未経験だった私は、とりあえず孵化を待ちつつ、観察してみることにしました。

とりあえず解剖して、卵一つを取り出してみようとしましたが・・・

とっても硬くて断念。何とかこじ開けることはできたものの、卵らしきものはつぶれてしまい、中から黄色い液体が漏れちゃいました。

まあ念のため、つぶれた卵を観察してみました。すると、どうやら卵っぽくない・・・?なんか節のようなものがみえたんです。(写真はうまく取れませんでした。)もしかして蛹とか幼虫?でも動いている様子もないんですよね・・・?

 

一週間後

容器を覗くと、そこには小さなハチの死体が!!!

どうやらこの卵嚢、ハチのものだったみたいです!

・・・

ん?まてよ?

ハチといえば完全変態する昆虫・・・

卵嚢からいきなり成虫が出てくるはずがないんです!

考えられることは2つ。

1つは、このハチは寄生蜂(きせいほう)であるということ。

何らかの生物の卵に寄生して成長する寄生蜂であれば、この現象にも納得できます。しかし、これだけ硬い卵嚢?の中から出てきたハチです。親バチがそれを貫通して産卵したとは考えにくいです。ならば、野ざらしになっていた何らかの生物の卵に、親バチが卵を産み付けた後、親バチが繭を作った!とかですかね・・・?色々考えることができそうです。

 

2つ目は、このハチが、集団で蛹化するハチだったということ。

そんな話聞いたことがありませんが、もし、幼虫が集まって、一斉に繭を作って一か所でたくさんの幼虫が蛹化する。なんてことが起こっていたら面白いですよね。まあ私は本当にクモしかわからないので、もしかしたら有名なことなのかもしれませんが。

 

さて、これにて謎の卵嚢の観察記録はいったん完結。気が向いたときに成虫サンプルで種同定をしてみることにしますかね。

 

文責:クモ大好き好きクン