カンブリア宮殿「安さ美味さで客は来る!・ゲスト:サイゼリヤ会長 正垣泰彦氏」を見て | 20年以上の倉庫現場経験者が伝える仕事術

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先日、放送されたカンブリア宮殿「安さ美味さで客は来る!・ゲスト:サイゼリヤ会長 正垣泰彦氏」を見て。


冒頭で会長が話していた7割引きにしたらお客が来るようになったと語っていたが、何を基準に7割引きにと言っているのだろうと疑問に思ってしまった。


7割引きと言えば、確かに格安という印象は受けるが、基準がはっきりしない事には、自分的には納得できない。

とは言え、価格が安いのはには安い。


なぜ、7割引きにしたのかと言う問いに対して、


「お値打ちと言うのがあって、お客さんは、お金よりも、品質と言うかな値打ちが良ければ来てもらえるから、値打ちを良くするには、自分達は値段を下げていけば値打ちが良くなると分かった。値段だけ、ずっと下げていって、これも実験して7割引きまで下げるとお客さんは来るんですよ。」


それでは、儲からないのではという問いに対して、


「そんなこと、全然関係ないの。お客さんが来るかどうかだから、優先は。そうすると7割引きまでやると僕思ったのは、核分裂つうのが始まるというのが分かった。7割引きで売ると宣伝とか何もしてなくても、次の日から200メートルくらいお客さん並んじゃうんですよ。」


そして、7割引きでは、ずっと赤字ではないかと言う問いに対して、


「だけど、これが不思議で。人間て、考えていることとやる事が違って、安いからって、それ食べるじゃないですか。それ以外のモノもいろいろと食べるの。そうすると、だけど、利益は出ないんですよ。自分達はお客さんたちがくる事が一番うれしいと思ってやっていますから、で来すぎちゃうわけですよね。だけど、そこでまた考えるわけ。来たのは安くしたから来るでしょう。そうすると、どうやったら、このお客さんに喜んでもらえるかと思ったら、隣にどんどんお店を出していくわけ。(お客さんを散らしていくんですね。)そうそう、そうじゃないとお客さん入れないじゃないですか。だから、近くに近くに店を出していくうちに、店をがどんどんどんどん増えていったんですよ。」


ここまでの話を聞いて、正垣氏は、商売をする気は、なかったのだなと改めて感じた。

サイゼリヤを始めたきっかけも、周りの人に押される形で始めているから、もともと、やる気はなかったのだが。


とは言え、お客さんが来ないからと言って、価格を下げ続けて、お客さんが来だす価格帯を見つけ出し、そこを強みとしてのビジネスモデルを確立した事を考えると、経営者の素質は持っていたのではないかと思う。


お店を出す地域もすぐそばを選んでしまうところも、いろいろと話してはいるが、なにがしらかの根拠があったに違いないと思う。

その根拠の一つは、やはり、お客さん重視の店舗展開ではないかと思う。

お店に入れないお客さんの為に別のお店を作るという発想は、単純な発想だが、それを実行にうつすのは、現実問題難しいと思う。

それをポンとやってしまう事からも、正垣氏のお客さんに対する考え方が見える。



真似して、7割引きにしたら、へたしたら潰れてしまいますでしょ?という問いに対して、



「うん、してみれば。できないんですよ、これが。これが、不思議に出来ないんですよ。みんな言うでしょ、7割引きにしたら来るからて言うでしょ。誰も出来ないですよ。なんでなんだろうね。どんどん7割引きすれば、日本中安くて良いのが出来るから、いいんじゃないですか。」


この発言から、正垣氏は、独特な思考をしている気がするが、それは、凡人と比較してであって、成功者からみれば、きっと、普通の思考と見られるのではないかと思う。


先駆者が言うのだから、成功する可能性は、確かにあるかもしれないが、そこへ踏み込むには、よほどの決意と行動力、そして、自分が何を大切にしているかを明確にする必要があるのではないかと思う。


宣伝やポイントカードは作らないのかという事に対しては、


「宣伝すると、お客さんがドッと来るの。すると疲れちゃう。急に来るんですよ。その日だけ。疲れるとないが起きるかと言うと、簡単でムラが起きて、無理が生じて、まともなモノが出ていかないんですよ。だから、宣伝しない。」


この発言からも、お客さんの事を考えている事が分かる。

”ムラが起きて、無理が生じて、まともなものが出ない”と聞くと、従業員の人数を増やし、従業員の負担を軽くすれば解決と言う一見、単純な解決策を思いつくが、それでは、人件費がかかり過ぎて、7割引きと言う価格を維持出来ない。

また、従業員の人数を増やし、お客さんの回転数を早くするという解決策もあるかもしれないが、それでは、お店の雰囲気を壊してしまう可能性を秘めている。


どんなお店にも、大切にしたい雰囲気と言うものがあるはずである。

その雰囲気を壊してまで、儲けたいという経営者はいるのだろうか。

自分だたら、絶対にしたくない。


お店の雰囲気とは、そのお店の価値の一部であり、お客さんを引き寄せる魅力の一つだと自分は思う。



値上げをしようと考えた事はないかと言う事に対して、


「値段は、下げる事が自分達の社会貢献だと。どんどん下げて、その為に下げた方が一つだけあって、自分たちの無駄をなくすことなの。原価を下げる事でもなんでもなくて、自分たちの働き方の無駄をなくすこといよって、値段を下げれる。これが、一番正しい方法だと。」


この発言を聞いて、無駄をなくすだけでなく、さまざまな工夫をしているのは、誰が聞いても分かるだろう。

無駄をなくすのは、無限に出来るものではなく、一見、無駄と思っても、無駄ではないものは世の中にはたくさんある。

無駄をなくすだけでなく、さまざまな効率アップ、生産性アップをしている事はもちろんのこと、それ以上に従業員のモチベーションを上げているのではないかと思う。


人間は、やる気になれば、さまざまアイディアを生み出せる。

今の時代、低価格を維持できている事を考えても、従業員のやる気がおおいに関係しているのではないかと思う。



無駄をなくするのは、理科系の発想かと言うとに対して、


「フードサービスと言うか、食堂業の仕組みって、問屋さんからとかメーカーさんだとか商社さんから、食材を買うじゃないですか。それはね、絶対に生産性が上がらない。

他の産業並みにならない。今までの仕組みを変えて、新しい産業にしない限りは、みんなの給料出せないとか、そういうところに飛躍しちゃうんですよ。それで工場なの。

どっかの、セントラルキチンじゃないですけど、工場に持ってくれば。

ただ、それだけなの。

生産性を上げる為には、店でやっている事を持っていく、だけど、みんなは、そうやったら美味しくなくなるて、みんな言うんですよ。

手作りなら、美味しくなるて。自分たち、手づくりってなにか、一生懸命調べると、バラつきが3~4割りあって、工場からまとめて持って、きちんと元からまとめて持って行った方が、全然、品質は良いっていうのは分かりますから。美味しいとは何かとやると、常に同じ美味しいさのものが出てくる。

そう言う事を考えると、生産性が上がるとか、効率が良くなる事は、美味しい事につながるんですよ。」


工場で、食材を料理して、お店へ配送する事は、ほとんどのチェーン店でやっている事なので、それほど、目新しいことではないが、美味しさを第一に考えている点で、正垣氏の人柄うかがえる。



食材に対しては、全国300の農家・農業生産法人と提携し、現在では、野菜は100%直接取引をし、流通マージンをなくしている。



ただ、これだけは、足りないため自社の農場を確保している。

工場での効率性を考え、収穫の段階で、食材として使わない外側の葉っぱは取っておく。

そして、収穫時間を短縮するため、畑の中に道を作り、野菜の運搬車が入れるようにしている。

また、レタスは収穫した段階から劣化が始まるため、すぐに温度管理が出来るトラックに積み込む。

その際の温度は、4度に設定し、工場やお店に行っても4度で保たれている。



自社農場の研究施設に関して、


「肥料や種からお客さんの口に入るまでの間が工場だと思っているんだな。工場だから、その間をいかに生産性を上げられるか、無駄をなくすかと言う事で、改善や改革をしてくるわけですから。」


工場の見方を変える発言ではないかと思う。

こういう視点から考えると、生産性を上げると為には、どうするべきかという視点も変わるのではないかと思う。

これは、点と点が、線で結んだ感覚になるのではないかと思う。



サイゼリヤは、値段をたたく事はしないが、収める為の要求は厳しいという事に関して、


「買っても、相手もそれで、食べて生活してるんだし、かっこいい話じゃないけど、値切る事は出来ない。だから、どんどん良いものを入れてもらいたい。農薬を0にするとかていうのね。そういうような条件を付けて、してもらう。あとは、自分たち(サイゼリヤ)の努力によって安くできるように努力する。と言う事で、厳しいというのは、品質を維持してもらうのに厳しいのかもしれない。」


お客さんに提供するものである以上、妥協はしないという意思の表れではないかと思う。

むしろ、そこまでのこだわりを持っているからこそ、価格だけでなく、他の部分でお客さんを引き寄せているのではないかと思う。

今の時代、安い食べ物は、氾濫してる。

その事を考えれば、品質にこだわると言うのは、もっともな事であり、だからこそ、低価格との相乗効果を生みだしているのではないかと思う。



自社農場を持つメリットはと言う問いに関して、


「種から作ると品質について、自分達が一番望んでいる品質が作れる。お客さんが食べて美味しいという品質を自分達は作ろうとしている。この事が一番大事じゃないですか。そうする事によって、サイゼリヤのミートソースやサラダが一番美味しくなるようなものを種から考えているんです。そうすると、初めて美味しくて安いものがこの世の中に登場するわけ。今までの仕組みだと、美味しければ高い、まずければ安い。そう言うものがだいたい常識なんですけど。美味しくて安いものは簡単じゃない。だから、そういう意味では、種から自分たちのサラダに合ったレタスを作ろうと。今では、直径一メートルの真四角なレタスが出来ないか種から考えているんですよ。」


自分たちが求める料理に合った食材を作る。

言ってみれば、料理一から作る事になり、これほど、贅沢でやりがいのある事はないのではないかと思う。

種から作るという事は、それぞれの地域に合った品質のものを作る事が出来るのではないかと思う。

その地域のお客さんに合った食材の開発をする事により、その地域限定の食材が出来る事になり、同じ食材でも、微妙に味や触感が違ったものが出来るのではないだろうか。



正垣氏の部屋に和風な額には、母親から送られた手紙が。


その一部に

「大きな事を成し遂げる為に、力を与えて欲しいと神に求めたのに、謙遜を学ぶように弱さを授かった。

世の人の称賛をえようとして、成功を求めたのに、得意にならないようにと失敗を授かった。」


これを聴いた時、なぜか、涙ぐんでしまった。

人間は、思考を現実化する素晴らしい力を授かっている。

これは、素晴らしい力だが、滅びも引き寄せる可能性を秘めている諸刃の剣。

だからこそ、謙遜が必要であり、失敗と言う試練を与えられているのではないかと思う。



失敗と言う言葉に対して、


「失敗と言う事は、客観的にみた言葉で、たぶん、成功と言うのは自分の心というのかな。それを正しく出来る事。」


失敗と言う言葉は、客観的な言葉であり、ただの表現方法の一つでしかない事は、誰もが知っていること。

問題は、それをどのように解釈し、自分の内側で処理するかではないかと思う。


そして、成功が自分の心と言うのは、成功の定義は、一人ひとり違い、自分だけの成功を手に入れる為には、自分の心と向き合い、正しい答えを導きだす事ではないかと思う。



サイゼリヤのビジネスモデルでは、街の小さな飲食店は、やっていけないのではないかと言う問いに対して、


「いや、やっていけます。私たちがこういう産業化して、そいうものを作れば作るほど、芸術作品をいっぱい作る職人さんがいて、そう言う人達が浮かばれるんですよ、逆に。その人達が自分たち(サイゼリヤ)と同じように安いものをやろうとすると、自分たちで種から作れるわけじゃないですから。そこを中途半端にやるとおかしくなるんで。自分たち(サイゼリヤ)が種から作ったものをホテルさんだかとそいうところに一番適したものを提供する。そして、そう言う人達が、職人さんの技ですごく美味しいものを作ってもらえる。だから、共栄共存するわけですよ。自分たち(サイゼリヤ)のような大チェーンと、それから、個人店は必ず成り立つんですよ。」



個人店は、必ず成り立つという一見、やさしい将来性の話だが、その前提は、芸術作品を作れるほどの職人業が必要と言う事ではないかと思う。

だが、自分も同意見。


大チェーン店に、同じビジネスモデルで対抗してもかなうはずはない。

芸術作品とは言わないが、個人店ならではの強みを創り出すのは必要。

自分は、ここにこそ、個客経験の共創が生きてくるのではないかと思う。


大チェーンは、お客さんに対して、個人的なサービスをしようとも、組織が大きいがゆえに出来ているようで、出来ていないのではないかと思う。


そこにこそ、個人店の入り込むすき間があり、強みを発揮するチャンスがあるのではないかと思う。

とは言え、生半可なサービスでは、今のお客さんを引き寄せる事は出来ないはず。

自分のお店でしか体験できないサービスを確立する必要があり、それは、季節ごとや数年ごとに追加・変更を加えていかなくてはならないと思う。


地方の商店街が寂れてしまっているのも、魅力的な独特なサービスを生み出せなかったからではないかと思う。

であるのなら、商店街を復活、活気づける為には地域住民の協力が必要不可欠であり、もっともっと、商店街と地域住民が話し合う必要があるのではないかと思う。

そして、今後実施されるであろう道州制が導入されれば、嫌でも地域活性化をしなくてはならない時代が来るのではないかと思う。