先日の「サンデープロジェクト」で放送された”中小企業の苦闘”を見て。
三菱自動車の下請け企業は、2月から全従業員を週休6日し、国の助成金制度である従業員を解雇せずに休業させた場合に日額最大7730円(一人)まで保障する緊急雇用安定助成金を受ける事にし、教育訓練をした場合、さらに6000円上乗せする制度を使い、週一日勤務の研修二日間にすることで、今までの月収の6割を確保する事で、今の状況を乗り越えようとしている。
下請け企業より、さらに悪いのが孫請け企業。
今の状況を乗り越える為に、自宅を担保にし、運転資金を一億円借り入れた。
それでも、落ち込む売り上げには対応しきれず、社長夫婦の報酬を5割カット、他の役員の報酬を2割カットした。
高い技術力を売りにしているからには、従業員の解雇は、どうしても避けたいと言う意向もあり、全従業員に対して、今の会社の現状を説明した。
それを聞いた従業員は、
「あんまり、社員までこういう経営の事は言わないと思うんですけど、包み隠さずばんばん言ってくださるので、すごく有り難いことだと思っています。」
「この不景気をチャンスと考える。
なにか、ちょっと、自分のところで、(新しい商品を)作ってみると言う事も考えた方がいいのかなと。」
と語っている。
この従業員の言葉に社長夫人は、涙ぐんでいた。
そして、2月の赤字は1100万円になり、週休三日、賃金1割カットに踏み切った。
そんな状況でも、”従業員のなかには、子供が多い人は四人いるし、そういう人達の生活は絶対守らなくてはいけない。経営者の貯金とかね、住んでいる家とかね、全部はたいても、みんなで一緒に生き残りたいし。”と会社の会計を預かる社長夫人は語っていた。
自分は、これを見て、中小企業が本来持っている家族的な暖かさを取り違えているのではないかと感じる。
それを最初に感じたのが、従業員の言葉。
中小企業であるからこそ、組織内の風通しは本来良いはず。
それなのに自分の会社の経営が苦しい事をまったく感じていなかったり、”自分のところで新しい商品を作ってみることを考えた方がいいのかなと。”と他人事のような発言。
それに対して、経営者は私財を全部失っても従業員の生活を守ると言う。
経営者だから、全財産を投げうって従業員の生活を守りぬく言うのは、自虐的であり、一種の自己満足ではないかと感じる。
経営者と従業員の相手を想う温度差があまりにもあるのではないかと感じる。
これは、技術だけ教えて、自主性に関する社員教育を何もしてこなかった事を表してるのではないかと感じる。
もし、それなりに社員教育をしていたとしても、役に立っていなかったのではないかと思う。
中小企業の家族的な暖かさは好きだが、だからこそ、今の最悪な状況を乗り越える為に、早めに従業員にもある程度の痛みを共有してもらい、自分たちが置かれている状況を認識してもらい、どうすればよいか、みんなで考えるべきなのではないかと思う。
大手企業では、組織が複雑であり、従業員があまりにも多すぎて、経営者との距離が遠いが、中小企業は、経営者との距離が近いはず。
近いからこそ出来ることがあるのではないかと思う。
そのためにも、従業員には、会社の経営の現状を把握してもらい、自発的に行動してもらうべきなのではないかと思う。
一人の従業員のアイディアで業績が回復するかもしれないとは考えないのだろうか。
従業員の言葉に涙するのではなく、一緒に考え、行動するべきなのではないかと思う。
中小企業の強みは、従業員一人ひとりが、自発的に考え、行動することではないかと思う。
そのためにも、自主性をどこまで育てることが出来るかが大事なのではないかと思う。