年功序列 | 20年以上の倉庫現場経験者が伝える仕事術

20年以上の倉庫現場経験者が伝える仕事術

20年以上の倉庫でフォークリフトを使っての仕事経験を活かした現場で培ってきた仕事術をお伝えします。

「ガイアの夜明け・有機野菜を身近に~食の安全に挑む新ビジネス~」を見て。

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/preview080219.html



番組内で、放送されていた品種改良をしないで、その土地で取れた作物の種を使う事で、活力のある生き生きとした作物が採れると言っていたが、ふと年功序列の昇進制度を思い浮かべた。


その土地に代々、根付き、環境に対応する事で強い生命力を得る作物。

年功序列により、一つの企業に一生勤めて、その企業の発展・成長の為に強い結束力を得る社員。


自分としては、同じように感じる。


それで思ったのが、バブルが弾けて、失われた10年と言われるが、日本の企業の根幹である年功序列の本質部分を失ったのではないかと思う。

グローバル化に伴い、実力主義・成果主義を採り入れるのは、時代の流れであるから当然だと思うが、それでも、年功序列による昇進制度は日本の企業には必要だと思う。

もちろん、部下に尊敬され、部下を指導するだけの力量を上司には常に求め、自己啓発を自発的に行なってもらうのが大前提だが。

ただ、上司は、必ずしも部下より、仕事が出来なくてはならないとは決まっていないと思う。

適材適所と言う言葉が示すように、一人一人、個性も才能も違うように、部下の方が、その仕事に合っている個性や才能を持っている場合もあるだろう。
そんな部下を持ったら、部下の才能を認め、部下が仕事をしやすいように上司は、裏方のサポート役をする事だと思う。
と、こんな基本的な事は、自分が書かなくても判っている人が大半だと思う。


年功序列が必要だと思ったのは、仕事の技量などは、個人の才能に左右されるが、企業風土や理念の伝承は、人の心から心へしか出来ないからである。


技術などは、マニュアル化したり、オートメーション化したり出来るが、心の伝承は、人から人へと言葉では表せないモノで伝承される。
その伝承の方法として、年功序列があったのではないかと思う。

日本の企業文化は、先輩(師匠)から後輩(弟子)へ、そして、そのまた後輩(弟子)へと、技術の伝承と共に、仕事に対する想いや誇りを言葉でなく心で伝えられていたのではないかと思う。


バブルが弾けた事で、リストラによる安易な経費削減策により、企業の風土や理念とも言うべき縦糸を伝える人達を失い、それに追い打ちをかけるように、団塊の世代の大量定年。

これにより、技術の伝承も出来なくなる恐れも出て来ている。

以前、ニュースで言っていたが、熟練者の技術を補う対策として、機械が開発されているそうだが、職人の技術はそんなものでは補い切れない部分がある。

それほど、人間の感覚は敏感であって、素晴らしいモノを持っていると思う。


物作り日本と言われているが、それは、戦後から高度経済成長期による日本の発展の事を言っているのだと思う。

世界的な時代背景があるにせよ、ホンダ・ソニー・松下を初め、今、日本国内の世界的企業が頑張ったからこそ、そう言われているのだろう。


ホンダを例に上げると、初めは資本金100万円の町工場。

自転車にエンジンを付ける事から始まり、いろいろな経緯があって、世界的な企業になったが、本田宗一郎氏は、技術者であり、職人。

宗一郎氏が師匠であり、従業員は弟子であったと思う。

会社と言っても、師弟関係がそこには存在していたはず。

宗一郎氏の性格に馴染めず、辞めていった人も多かったが、鍛えられ、成長した子供達(後継者達)は立派にホンダを育て続けてきた。

そこには、技術だけでなく、心の伝承もしっかしとされてきた。

技術は、宗一郎氏に及ばなくても、縦糸である心の伝承がされる事で、会社の方向性は揺るがず、成長し続けたのではないかと思う。



技術は、いくらでも伝える事は出来るが、心を伝えるのは、マニュアルや機械では伝える事は出来ない。

故に、人と人とのつながりが大切であり、年上の人や色々な事を経験した人からの言葉は、何ものにも代えがたい資産であり、資源ではないかと思う。