平成23年 1月6日 PM 9:00
E澤 「うわぁぁぁぁぁっ!!」
店内に叫び声が響いた。
隣にいた私は驚いた。
彼の方に目を向けた瞬間、私の目に飛び込んできたのは
異常な光景だった。
手の平、スーツ、目の前のテーブルまでもが赤く染まっていた。
私の頭によぎった・・・
刺されたか!?
一体誰に・・・
平成23年1月6日 AM11:00
その日は朝から憂鬱だった。
そう。
今日は上野店ブログの新企画の為の飛び込み調査の日だった。
本当は年末に取材をする予定だったが、どうしても店主との折り合いがつかず
年明けになってしまった。
(前日に電話でお休みの確認をしたところ、うちはカレンダー通りだよとのこと。
そして、平日の火曜日に行ったところ、やっておりませんでした・・・)
妙な胸騒ぎは二人とも隠せていなかった。
やはり、去年の汚れは去年のうちに取り除かなければいけなかったのでは。
色々な葛藤の中、徐々にあの運命の時は近づいてくる。
≪新企画とは?≫
最近テレビなどでも取り上げられている「キタナうまい店」というものがある。
しかし、下町育ちの私としましては、汚くてうまいのは当たり前。
そして、インターネットで調べてもたくさん出てくる。「キタナうまい店」
そんなお店を紹介しても仕方がない。
そこでもっと社会貢献をしたいという私はこんな企画を思いついた。
汚いのにまずい。
まずいくせに汚い。
臭い。
お腹が痛くなる。
このような「キタナまずい店」を体当たり取材で紹介していこうという企画のことである。
平成23年1月6日 PM8:00
取材予定のお店のホームページを何度もチェックする。
・・・行きたくない。
しかし、前に進まなければ何も始まらない。
嫌がるE澤を懸命に説得。もう行くしかない
記念すべき第一号店。
インターネットで「上野 汚い」と打ち込むと出てくるとんかつ屋。
※店名はおやじさんがインターネットで、自分のお店の悪口がないかどうかを
チェックしまくる方なので伏せさせて頂きます。
ネット上で味は賛否両論。
ターゲットは決めていた。ここしかない。
お店に電話を入れる。
・・・やっている。
できれば、断られたかった。
躊躇すること約40分。
意を決し、二人で会社を出て、問題のお店に向かった。
あの事件まで残り20分・・・
平成23年1月6日 PM8:45
「いらっしゃいませ・・・」
覇気のない声。
私たちはお店に入った。
私の第一印象。
臭い。
汚いのもあるが、とにかく臭い。
E澤は笑いをこらえている。
そう私たちの下調べは、マニアに相当するくらい念入りに調べていた。
そのお店のおやじさんが個性が有りすぎて「ナニこれ珍百景」
に出演していたという過去まで丸裸にしてきた。
予想通りのおやじだ。
相手にとって不足はない。
勇気を出して注文する。
私 「ビール1本お願いします」 600円
おやじ 「はいよー」
E澤 「ソーセージください」 600円
おやじ 「はいよー」
そう。ここはとんかつ屋。
そしてそのとんかつこそが今日のメインディッシュのはず・・・
そんなに食いたくないのか。
私だって食べたくない。
しかし、ここまできたら注文するしかない!
震えるような小さい声で注文した。
私 「とんかつ・・・」
おやじ 「はいよー」
聞こえていた・・・ 2000円 (高いです)
ここのとんかつは注文してから30分かかるらしい。
最初にビールが出てくる。
・・・コップが臭い。
しかし、アルコールなしでは厳しい。
ビールを注ぎ、息を止めて一気に流し込む。
俺たちはいったい何をしているんだろう。
金まで払って・・・
ソーセージが出てくる。
見た目は、まあ普通かな。
テーブル上に置かれている粒マスタードとケチャップをお好みでどうぞとのこと。
私たちはおやじの目を盗み、入念に賞味期限を調べた。
粒マスタードはあと4カ月大丈夫だった。
ケチャップは・・・ 数字が読めなかった。
私は粒マスタードをソーセージにつけ、口に運んだ。
目をつぶり、ソーセージの香りと食感を楽しむ。
「レッカー」 私は呟く。
と、その時!?
E澤 「うわぁぁぁぁぁっ!!」
店内に叫び声が響いた。
続く。
これで600円。
店内風景。
こちら側はきれいな方です。
とにかく臭いです。