日本の中国への戦争
そして
アメリカの日本への戦争
歴史を学ぶことは、今を学ぶこと。
日中戦争を、5年間、研究して、日本による中国支配を調べてきたら、
日米戦争の結果としての、アメリカによる日本支配が見えてきた。
日本は中国を1937年7月から全面的な占領支配を求め始めて、1945年8月まで、8年間、軍事的、政治的、経済的にある程度、中国を支配した。
だが、
アメリカは、日本を、1945年の各都市への大空襲、沖縄地上戦をへて、45年8月から占領支配を始めた。完全に。日中戦争における日本による中国支配、点と線の支配とは違って。
アメリカによるその占領支配は、軍事的、政治的、経済的なものであり、79年間も続き、しかも、今も続いている。
日本に設置された米軍基地が、日本を守っていると信じている「おめでたい日本人」が多いですが、
日本にある米軍基地こそ、日本をアメリカが軍事的に支配する日本の拠点なのです。
そして、日本を軍事的に支配するからこそ、政治的支配も経済的支配も可能なのです。
もちろん、これら支配のうちで、最終目的は、経済支配です。
付け加えておくなら、日本にある米軍基地は、アメリカによるアジア支配のためでもあります。
沖縄の米軍基地からベトナム攻撃を長年行ったことからも明らかなのです。
人が殺されるから、一般市民がヒドイ目にあうから、戦争反対!
確かにそうなのですが、それだけのために「戦争反対」を主張しているようではダメなのです。
戦争というものは、敗戦国を、戦勝国が、軍事的、政治的、経済的に、支配をすること、これを第一の目的としています。
そして、最終的には、戦勝国による「敗戦国国民の支配」であり、戦勝国と敗戦国の両方による、「敗戦国国民」の支配であり、収奪を目的としているのです。
敗戦国の国民が作り出す富を奪うことが、戦争の最終目的です。
すなわち、自国民の富を奪うだけでは満足できず、他国民の富をも奪おうとするのが、戦争の目的です。
アメリカ合衆国は、アメリカ国民の富を奪うだけでなく、日本国民の富をも奪っているわけなのです。
そして、日本国民は、日本国とアメリカとの2カ国から二重に奪われています。
低賃金・長時間労働によって。
さまざまな人権の抑圧によって。
この収奪や人権抑圧について、日中戦争を例に具体的に話しましょう。
1937年7月11日より、日本軍は中国大陸へ侵攻しました。近衛文麿内閣の閣議決定に基づく出兵、侵攻でした。
中国軍をやっつけた都市、たとえば北京では、日本軍が政治的な支配を始めます。
侵攻し戦闘に勝って、軍事的支配に成功すれば、次に政治的支配を始めます。
日本軍に協力する治安維持会、新民会という中国人組織を作り、政治的な支配を始めました。
日本軍が作り出した中国新政権によって、日本軍は中国国民を支配しました。すなわち、かいらい(傀儡)政権です。他国の思うがままに政治を行う政権です。国民の幸福など考えてはいない政権です。
(続く)