新月の夜……。月の無い闇夜に雲はなく、星は微かに煌めいている。

実家で借りている駐車場。そこから覗く星は、とても儚くて…。

地上からの光りに消え入りそうになりながらも、懸命に煌めく星達。

しかし今、それさえも掻き消そうとするモノが、俺の目の前にある。

それは、炎。

目に写るそれは、容赦のない炎に飲まれようとしていた。

どうして……こんなコトになったのか…。

炎に包まれているのは姉の車だった。