　暖かくなってきたように思っていたが　ここ二日に限っては結構な冷え込みである。今朝は氷点下6度まで下がる。昨日もそうだったが事務所の前の通りは渋滞となって車が並び（昨日もひどかったので出かけるのを30分ほど遅らせた）おそらくは高速の入口付近まで続くのだろう。

　今週は自宅をフリースクールにされるんだとかで改修工事を行っていた現場に出かけていたが　和室、奥座敷と昔ながらの間取り二間を一間にと、昨日で無事完了となった。教室としてご使用になるんだそうだ。行政でも教育支援センターとか中間教室などの名称で学校がちょっと苦手なお子さんに向けての取り組みがなされているし、建匠としてもこの街のとある学校で改修工事に携わらせて頂くことがあるので、合間合間にお話を伺ってみると　民間のフリースクールは行政の教室とは趣が変わるようだ。大体にして学区内が異なるお子さんも受け入れると言うのだから本人のみならずご家族の方々も何かと気苦労が多いように思う。それでも多様性を受け入れようとする社会に変わりつつある訳だからマイノリティーへの理解には僕自身も関心を持って見守りたい所である。ここで少し話を遠回りする・・・・

　最近テレビやラジオ（丁度帰国して外環を走ってる時に特集を組んで放送してた）でも取り上げられているインボイス制度。申告の書類が終えたところで中央会に用意してもらった（様式なんかをメールで送ってもらった）書類に目を通し、な～んだ簡単じゃんと入力を始めたが、これがまたわざわざ項目に入力が出来ないタイプのPDFで出来ている。なんでコロナ禍にあった協力金や支援金のようにパソコンで入力できる様式で作らなかったのか頭をかしげるばかりである。当店のも含め建匠や建匠に名前を連ねている事業所さんのも作るのだから打ち込めた方が有難し、あッいけね～なんて間違えたりしても訂正も簡単なんでどんなPDFでも入力ができるようなソフトを探してみた。

　どれもこれもみな有料で無料の物のほぼほぼが72時間お試し期間が終えると購入！とか1週間のトライアルとかで煩わしい物ばかりである。他の方々はどうしてるのだろうとコールセンターに問い合わせをしてみたら「PDFだから入力はできません。手書きでお願いします」。いやいやPDFだって入力が出来るように様式作れば済む話ですよね～と聞けば「そういった事は他の部署に連絡してください」

　で、教えられた番号をコールすると「わたくし共ではそう言ったご意見にはお答えできません。今回のご意見はご意見として上の方に上げておきます」

　今回の制度は簡単に言ってしまえば売上が1千万円以下のご商売をされている方々からも消費税を納めてもらおうと言うためのもので（例えば農家の方が農協やスーパーに野菜を納品する。スーパーに納品の方が説明が楽なので→　農家はスーパーから売り上げた代金を回収する→　消費者はその野菜を購入する時に消費税をスーパーに支払う→　スーパーは売上から決算に合わせて消費者から頂いていた消費税を計算して消費税を納める→　農家は売り上げが1千万以下なので消費税を納税する義務がないのでそのまま懐に入れる）　と言う図式を変えて野菜を納めてる時にスーパーからは消費税を含めた額を回収してるのだから農家からも納税していただこうと言う話である。

　仮にこれまで通りに納品した農家がその分を納税しない場合はその分はスーパーから納税してもらう事になる。業種を変えて話せば我々のような建築業の場合、例えば内装屋が二社、工務店と取引をしてる。一社はインボイスに登録して一社は登録していない場合、登録していない業者（1千万以下で消費税をこれまで払っていない）での消費税分は発注をした工務店側で内装屋の分を納税しないといけなくなる。そうなれば自分の税金は自分で払ってよと言う事になってインボイスに登録していない業者には発注しずらくなるのである。そして、インボイスに登録をすることでこれまで売り上げが1千万以下で納税を切り抜けてきた方々も1千万とか関わりなく消費税を納めなければならない。ここが味噌なのである。

　もっと言えば我々のような自営業者は領収書をいたく大事にする。申告時に経費として計上するからである。飲食であっても商品であっても大義名分が通れば経費として落ちる。でもその領収書もお店側でインボイスに登録しおらずインボイスの番号が記載されていないものは経費として落ちないようになる（これからはママの店も大変かも・・・）となれば利用する側にも選択の理由が一つ増えるようになるから厄介と言えば厄介になる。ただ、それだけしっかりと税金を回収しようとしてる国税局が、登録する様式を書き込みが出来ない「PDF」で書類を作成するとは何事であろうか・・とつくづく憤りを感じてしまうのである。

　ここでマイノリティに戻る。

　事業を展開されている方々も様々である。体力的（経済の）に問題もなく必要とあればソフトの一つくらい入手してしまってサラサラとやり過ごす事も簡単だろうし健康な体さえ備えていればなんてことはない。やはり中には起業したばかりで節約節約の日々でやっている方も多い事だろう。何よりも障害を抱えていてペンを取れずにキーボードでしか書類を作り上げられない方だっているはずでそんな方々には何か配慮があるのだろうか。それこそ有料ソフトを締め切りの9月迄なら無償で貸し出すとか職員が赴き作成のお手伝いをするとか・・・

　国税の一大返還であるこの制度を導入するのは国が決めたことである。これらの手続きは事業を展開している者の義務なのであれば少数派の方々にも配慮し　誰でも多少の知識や機器があれば簡単に手続きが出来るよう方策を練るべきではないだろうか。作成した書類（適格請求書発行事業者登録申請書）はこの辺だと関東事務局まで郵送が必須となっている。今日、申告を済ませて来たが、とりあえず窓口で数社分の申請書を入れ宛先も記入した封筒を携え聞いてみた。

　長野税務署ではインボイスの申請書は受け付けてくれないのですか？「ここまで出来てるのでしたら、このまま郵送していただけませんか」。同じ国税局管轄ではないか。こういうところが本当に改革をしていく心づもりがあるのかと問いたくなってしまうところである。まぁ、あれだけの電話でのやり取りをした後だったので初めから期待はしていなかったが　それでも少し腹が立つのである。

　こんな時は好きなラーメンを食べるのが一番である。ここまで来てるのだからと時計を見れば11時を過ぎている。異次元の拉麺（とにかく他の店と比べられないほどの一品）は行列さえ我慢（この日は40分）すれば味わえる。もし、何か腹に据えかねたような時があったら是非訪れてみてはいかがだろう。瞬間で至福の時間へといざなってくれるはずである。