さくらの大好きなにんじんを持っていきました。
こんにちは。
少し気持ちが落ち着いてきたのでさくらの事を書きたいと思います。
さくらの生きたあかしを書きます。
6月12日(土曜日)朝。
寝坊しました。9時50分。面会時間は10時からの予約でした。
私は前日病院の開く9時位にさくらに会うつもりだったのに。
前日私も妻も寝れず、(私はブログを更新していたのですが・・・)気が付いたら朝方4時位で・・・。
そんななんともお粗末な言い訳です。さくらごめんね。
急いで大学病院に。10時30分です。
受付をして待つ事40分位・・・少し遅いなと思いつつ待ってました。
研修医の吉岡さんが着ました。一階の奥、関係者以外立ち入り禁止の所、手術をした所です。
吉岡さん「遅くなりました・・・さくらですが体調が悪くて・・・この奥にいます。」
さくらの体調が悪くなった事、血液の数値が相変わらずおかしい事、朝エコーを取ったら肺に影が見えた事、
肺に水がたまっている事、おしっこが出ない事、血液中の酸素がうまくまわっていない事。
手術室の横にある個室でさくらは横になってました。
「動きたい・・・」さくらは必死に生きています。
体にはたくさんの点滴と心拍数をはかる機械、血液中の酸素をはかる機械、おしっこが出ないので管をいれて吸い出す道具、そしてさくらの口の前に手術で使う酸素を送る機械がありました。
さくらはがんばってました。
おしっこが出ない以上これ以上の点滴の薬は肺に水がたまってしまうので最低限の量で朝の血液の数値で調整した薬を点滴で与えてくれてました。
吉岡さんは一生懸命にそして全力でさくらを介護してくれていました。
「さくら・・・」
私はもうさくらに時間が無い事がわかってきました。いや、でも・・でも・・・。
吉岡さん「ここでずっといても大丈夫ですので・・。」
薬を変えたりおしっこを出そうと作業をしたり・・・色々な人がさくらとがんばってくれています。
少し部屋が落ち着いて・・・吉岡さんも心配そうにさくらを見てます。
私「先生・・・大丈夫です。私さくらをずっと見てますので・・・」
吉岡さんだって他の仕事もあると思うし・・・。私はさくらと一緒にいて何かあったら呼びます・・と伝えました。
さくらの主治医は今日から出張。でも心配で羽田から、出張先の沖縄から途中電話をくれました。
さくらの顔の前には空気が出る機械があります。本来手術で使用するものだそうです。
「さくら・・・みんなが心配してくれているね・・・。」
さくらは体がうまく動かせず、時々マットから落ちそうになったり立とうとして苦しそうにしたり、時には
「キャン!!キャン!!キャン!!」と鳴きました。いや、泣いていました。
心拍数や血液中の酸素を測る数値はさくらの手にテープで張り付いていました。でもさくらは動いてしまうので
時折機械から『ピーーーーーー!!』とか、『ピピピピピピピ!!!』と明らかな異常音がなります。
初めはびくびくしていたけどこの機械から出る数値はもう気休めでしかないのかな・・と思いました。
途中今日担当の先生が来て色々と私に気遣ってくれました。
同じ様に犬を飼っていて治療をしてたけど家に帰って看取った事など。動揺する私に気遣ってくれました。
またさくらと2人きりになりました。さくらの息は肺に水があることから
「シュー・・・シュー・・」「ヒュー・・・ヒュー・・・」「ビュー・・・ビュー・・・」
と本当に苦しそうでした。
途中で吉岡さんや、主治医の先生が電話をくれたりしていました。
家に帰るという選択。もう少しがんばる選択。
妻は仕事でしたので連絡をとってから一緒に考えよう・・・そう思っていました。
でも私は家に連れて帰る選択を考えていました。夕方の血液検査をしてそれにあった薬をしてもらい・・・
家に・・大好きだった家に帰ろう・・・そう思ってました。
さくらが一番望む事を。もう少しかもしれないけどさくらの一番の幸せを。
さくらは体がうまく動かせないのでさくらの顔の近くで視界に入り私もずっと寝そべってました。
さくらの目を見て視界に入りそして話をしてあげました。
さくらがはじめて家に来た時の事、父さんが厳しくしつけかわいがった事、母さんが溺愛していた事。
そんな母が亡くなった事。少し経って父さんも天国にいってしまった事、
さくらと再会し一緒に住む事になった事、散歩が好きで、おとなしくて、臆病で、さびしがりやで、甘えん坊な事。
共働きな私たちが夜遅く帰ってくると暗い中走って玄関まで迎えに来てくれた事、
テレビを観たりしてるとそばに来てもたれる様に座ること。ごはんを食べていると足にあごをのせてくる事。
ストーブを一人占めする事。ピザの宅配家さんが来ると我先に玄関に走って行くこと。
誰かが来てもすぐに走って甘えていること。絶対吠えないこと、部屋ではおしっこをしない事、噛まないこと。
さくらの顔の前で、視界に入る所で話していました。さくらはずっと私を見ていました。
でも少し動こうとします。苦しいのか。話は聞きたく無いのかな・・・。
話聞こえていているのかな・・・私は見えてるのかな?
話の途中でした。
「ゴフッ」っと吐く様な音をしたかと思うとさくらは動かなくなりました。
えっ・・・!えっ・・・!? 苦しそうな息も聞こえません。
私「先生!!!」 隣に待機していた吉岡先生を呼びました。
吉岡さんはさくらの胸をぐっぐっ・・と押してます。
私「先生!さくらは息をしていないんですか!?」
吉岡さんはうなずきました。でもずっとさくらの胸をぐっぐっぐっ・・・と押してくれています。
他の先生たちも来てくれました。さくらの口を開け、太い管を口に入れました。何かを吸い取っている様です。
さくらは目を開けていました。私はなるべく視界に入り耳元で話続けていました。
私「さくら・・・さくら・・・元気になるって言ったじゃん!そうだ!散歩に行こうよ!・・・ね!じゃあお家に帰ろうよ!・・さくら・・・!さくら・・・!さくら・・・!さくら・・・!さくら・・・!お散歩いこうよ!」
ずっと話し続けてました。先生も蘇生で一生懸命です。吉岡さんはずっとさくらの胸をぐっ・・・ぐっ・・・ぐっ・・・と押し続けてくれています。
もう・・さくらは動こうとしませんでした。さくらの目は開いたままです。
15分位でしょうか。ずっと吉岡さん、先生たちは蘇生をしてくれています。
さくら・・・もう楽になりたいよね。もうがんばってまた苦しいことは嫌だよね。さくら・・・楽になっていいよ。
・・・もうがんばらなくっていいんだよ。
先生にお礼を言って止めてもらいました。
14時35分位でしょうか。さくらは天国に旅立って行きました。
さくらは幸せだったのかな・・・涙がぽろぽろ出てきました。家に戻りたかったよね。散歩したかったよね。
私「先生・・・本当にありがとうございました・・・。」さくらの前で泣いてしまいました。
でも本当にさびしいんだもん。少しだけならいいよね。涙がぽろぽろ出てきます。
吉岡さん「・・・さくらちゃんをきれいにしてお渡しします・・・待合室でお待ちいただけますか・・・」
私は色々な管、点滴、包帯、のさくらと少しお別れをしました。
待合室までの途中の長い廊下で吉岡さんと2人で歩いていました。
さくらは幸せだったのか自問自答し自宅に帰らなかったのは正解だったのか・・・涙がぽろぽろでてきます。
隣で吉岡さんは私と同じ位泣いていました。
吉岡さんは研修医のおそらく20歳代の女性です。ずっとさくらの苦しい姿を見ていてくれたんです。
すいません・・・本当にありがとうございます・・・。
この奥の扉の先に長い長い廊下が。その奥にさくらの部屋がありました。
私は誰もいない暗い待合室で1人で泣きながらさくらを待っていました。
つづく![]()
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