作品展望 №21(解説~千葉優作) 結社【潮】 生は修羅死は安息と知りつつも阿修羅となりて酒を酌みたり 星 雅夫 夜灯に照る紅葉よかの世も秋ならむ月より高く雁渡り行く 五百川紘子 羽化最中の蟬もありしやかの年の空襲の夜の炎のなかに 上田律子 鱗雲・鰯雲とも言はれつつ大空占めて秋訪れる 桑村ゆき 枯れ落葉明るき湖面に次々と人を見送るわれを見送る 小島無美智子 夫だけがこの世離れて逝かんとす何故に誘わぬなぜにさらわぬ 岩崎かほる