作品展望 №17(解説~高取 剛) | 短歌活動をめざす北海道歌人会

短歌活動をめざす北海道歌人会

北海道在住の歌人や愛好者、もしくは道外転出者も希望によって会員とする北海道歌人会です。短歌における親睦と創作を希望する方はどなたでも加入できます。ぜひ、一緒に短歌を楽しみましょう!

 

 

 

結社【あらつち】

 

軒下のすいせん東風に逆らはず呼吸を揃え傾き開く  川崎明美

 

散る木の葉それぞれ好みの色に染め冷たき風とたはむれて居り  木村博子

 

笠雲を深く被りて羊蹄山雨が近いと知らせくるるや  佐藤和江

 

この上に何を望まむ九十六 時々の小吉をわれは喜  嶋田アイ

 

テレビでは桜の予報開花日は昨年逝きし母の命日  高瀬淳子

 

雪解けて浅き黄色のふきのたう春のひかりの満ちる日近し  竹山貞子

 

転がれず角ぱっている石ころが坂の途中で見せる一面  山内昌人

 

もうここでトルストイからの裁きあれ「戦争と平和」未だ色褪せず  渡辺和夫