外来で運動器障害の治療を行っていると、治療を始めてしばらくは急速に機能が治ってゆくのに、ある程度まで治癒したところで、“足踏み”する患者さんが時々いらっしゃいます。

 

 あくまで主観ですが、症候の6~7割ほどが治り、「このまま最後(治癒)までいけるかな?」というところで停滞したり、主症状が再発したり、別の症候が出たりします。6割の壁というか、停滞期というかうーん

 

 まだ外来治療に復帰して3か月目の気づきですので、単なる偶然や思いこみかもしれませんが、一考の価値はあるので、その要因を考えてみました。思いつく理由は4つ。

 

 1つ目は、療法士が治せる機能異常の部分が6割ほどあり、それ以降は拘縮や変形や変性や炎症といった器質異常(病理的変化)の領域であるため、ある程度の時間経過が必要という見方。治療ブログのほうでも書いているように、治せる部分と治る・治らない部分の境界域に達しているという見解ですグラフ

 

 2つ目は、主症候を起こした当初の機能異常が治癒しているのに、同じ部位に同じ治療パターンをつづけ、かえってそれが刺激過多や過誤になっている可能性。治療に伴う骨格機能の変化や反応をよく観察できておらず、物理的な刺激量や頻度、あるいは治療の対象(部位)や方向を、適時に切り換えることができていないのかも↓↑

 

 3つ目は、この時期に患者さんの活動量が再び増すということ。痛みなどの症候が6~7割ほど軽減すると、仕事や生活でまたOverworkを起こしてしまい、症状が戻ることがしばしばあります。これはまだ治癒や治療が不十分だったか、あるいは生活指導や運動管理が必要との見方もあるでしょう歩く

 

 4つ目は、治療者側(自分)にどこか油断や慢心がある可能性。6割ほど治ったところで、こちらにわずかな気の緩みが生じているのかもしれません。治療が少し雑だったり、詰めが甘かったり。これはただの緊張感の欠如ですね。プロならば、あくまで完全治癒を目指さなければなりませんパー

 

 いずれにしろ、残り3~4割の詰めの治療は意外と難しいと感じています。しかし、ここを乗り越えて8割程度まで治せれば、あとはほぼ再発なく治癒に向かってゆく手応えがあります。治癒に向かうときに診られやすい兆候については、また別に記事を書こうと思いますブログを書く

 

↓おのれとの戦い(゚∀゚*)/うぉー

にほんブログ村 病気ブログ 理学療法士・作業療法士へ