歩行は足部が床に接地している立脚期と、床から離れている遊脚期があり、それぞれさらに細かい相に分かれます。この間、脊椎と骨盤および下肢は、各関節が一定の運動リズムで動いており、もし一部の筋や関節に障害があれば、そのリズムが破綻して歩行障害が出ます。

ほ2 

 その原因の多くは関節機能障害と、それに起因する筋スパズムで、それは脳血管障害でもパーキンソン症候群でも整形外科疾患でも、疾患に関係なく見られます。そのため私が歩行分析をする時は、初めから治療対象の関節や筋をおおよそ予測しながら観察しています

 例えば股関節がもっとも伸展する踵離地(HO:heel off)に骨盤は前傾しますが、その時の体幹・下肢の骨運動は下図のような状態となります。
ほ3 右側

 この時、脊椎・骨盤帯の各関節(赤字)では次のような関節内運動がそれぞれに生じています。これが実際の関節の治療方向となります。
ほ4 

 同じく、今度はもっとも骨盤が後傾する足指離地(TO:toe off)の時の体幹・下肢の骨運動です。
ほ5 右側

 この時は下肢の振り出しに伴って、脊椎・骨盤帯の各関節(青字)の運動が次のように起こります。
ほ6 
  
 これらの関節内運動に障害があれば、立脚期に股関節の伸展制限や腰痛を生じたり、遊脚期に振り出す下肢のこわばりや歩幅の減少を生じます歩く

 臨床では歩行分析で各関節の動きの悪さを観察・予想した後、立位や座位・臥位で可動性や筋緊張、疼痛などを検査し、治療対象となる関節をスクリーニングしてますフムフム

 しかし最終的な障害関節の特定は、実際に関節を動かした時の感触「ここは硬い。ここは詰まっている。ここはよく動く」などと、1つ1つの関節内運動を確認しながら、治療と検査を同時に行っています


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