PT的血液検査の見方第4弾は肺臓編です
肺の血液検査と言えば血液ガスですね。血ガスは通常、動脈血を採取して測定するので、患者さんへの侵襲が大きいという問題はありますが、呼吸障害で生じる危険な状態をすぐ確認することができます
その主な状態は①低酸素血症、②高炭酸ガス血症、そして③pH異常です![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/089.gif)
①は血液中の酸素(O2)が不足した状態、②は二酸化炭素(CO2)が増えすぎた状態、③は血液・細胞が酸性やアルカリ性に傾きすぎた状態です。身体内のpHは肺(呼吸)と腎臓(排泄)で常に調節されています。
この身体のpH調節(酸塩基平衡)というのは生命に関わる非常に重要な生理機能で、肺や腎臓の障害によって、酸が増加するアシドーシスや、その反対のアルカローシスなど危険な状態になることがあります。例えば呼吸器障害でCO2の蓄積が進むと呼吸性アシドーシスとなります。
【検査項目と基準値】
PaO2:動脈血内の酸素分圧で、正常は80~100Torr。60Torr以下が低酸素血症の状態とされ、呼吸不全と診断される(室内気吸入時)。酸素化能の指標。
SaO2:動脈血の酸素飽和度で、正常は95%以上。臨床でパルスオキシメーターにて簡便に計測した近似値はSpO2と呼ぶ。
PaCO2:動脈血内の二酸化炭素分圧で、正常は35~45Torr。46Torr以上が高炭酸ガス血症で、Ⅱ型呼吸不全の基準値となる。換気能の指標。
pH:水素イオン指数で、身体が酸性やアルカリ性に傾いている状態を示す。正常は7.35~7.45で、それ未満を酸血症、それより上をアルカリ血症と言う。
HCO3-:重炭酸イオンは酸(水素イオン)を緩衝して、身体のpHを一定に保つ役割があり、その血中濃度を測る。正常は22~28mEq/ℓ。
BE:base excess(塩基過剰)は代謝性指標で、正常は±2.2mEq/ℓ内。それ未満は代謝性アシドーシスで、それより上は代謝性アルカローシスと呼ぶ。
低酸素血症であれば早急に酸素化を図る必要がありますし、高炭酸ガス血症であれば換気の改善を、pH異常があれば輸液や原因疾患の治療が必要となります![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/092.gif)
そして呼吸理学療法の主たる効果は「換気の改善」にあります(換気および換気血流比不均等の改善による酸素化効果もありますが)![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/106.gif)
ですからCOPDや脊椎胸郭変形、神経筋疾患による呼吸障害など、特にⅡ型呼吸不全の患者さんに対しては適切な呼吸理学療法が必要なんですね![要](https://emoji.ameba.jp/img/user/mw/mw37-1dy/3952999.gif)
⇒「人工呼吸器からの卒業」
⇒「レントゲンの見方:胸部編」
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①は血液中の酸素(O2)が不足した状態、②は二酸化炭素(CO2)が増えすぎた状態、③は血液・細胞が酸性やアルカリ性に傾きすぎた状態です。身体内のpHは肺(呼吸)と腎臓(排泄)で常に調節されています。
この身体のpH調節(酸塩基平衡)というのは生命に関わる非常に重要な生理機能で、肺や腎臓の障害によって、酸が増加するアシドーシスや、その反対のアルカローシスなど危険な状態になることがあります。例えば呼吸器障害でCO2の蓄積が進むと呼吸性アシドーシスとなります。
【検査項目と基準値】
PaO2:動脈血内の酸素分圧で、正常は80~100Torr。60Torr以下が低酸素血症の状態とされ、呼吸不全と診断される(室内気吸入時)。酸素化能の指標。
SaO2:動脈血の酸素飽和度で、正常は95%以上。臨床でパルスオキシメーターにて簡便に計測した近似値はSpO2と呼ぶ。
PaCO2:動脈血内の二酸化炭素分圧で、正常は35~45Torr。46Torr以上が高炭酸ガス血症で、Ⅱ型呼吸不全の基準値となる。換気能の指標。
pH:水素イオン指数で、身体が酸性やアルカリ性に傾いている状態を示す。正常は7.35~7.45で、それ未満を酸血症、それより上をアルカリ血症と言う。
HCO3-:重炭酸イオンは酸(水素イオン)を緩衝して、身体のpHを一定に保つ役割があり、その血中濃度を測る。正常は22~28mEq/ℓ。
BE:base excess(塩基過剰)は代謝性指標で、正常は±2.2mEq/ℓ内。それ未満は代謝性アシドーシスで、それより上は代謝性アルカローシスと呼ぶ。
低酸素血症であれば早急に酸素化を図る必要がありますし、高炭酸ガス血症であれば換気の改善を、pH異常があれば輸液や原因疾患の治療が必要となります
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そして呼吸理学療法の主たる効果は「換気の改善」にあります(換気および換気血流比不均等の改善による酸素化効果もありますが)
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ですからCOPDや脊椎胸郭変形、神経筋疾患による呼吸障害など、特にⅡ型呼吸不全の患者さんに対しては適切な呼吸理学療法が必要なんですね
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