前記事で「関節機能障害筋スパズムに対してストレッチは禁忌だ」と書きましたが、おそらくこの表現だけでは誤解を招きそうなので

    実際に患者さん達の意見を聞くと「ストレッチをして体が軽くなった」とか「行った後は手足が動きやすくなる」という話もたくさんあります 私も患者さんの自主的なリラクセーション体操は推進派で、指導もしてます

 これは恐らく私達専門家のうStretching exerciseと、患者さんたちがイメージしているストレッチ(風の体操)の違いのせいだと思いますストレッチ

 そもそもStretching exercise:伸張運動は、60年以上昔の生理学をベースにしてできた理学療法で、筋肉や腱を関節運動が止まるところまで緊張させ、そこからさらに強制他動的に引き伸ばす運動のことです。個別の筋の起始部と停止部(両端の骨付着部)を引き離すんですねうーん

 すでに緊張している筋線維や結合組織をさらに引っ張るのですから、そりゃ痛いに決まってますやばい 電子顕微鏡で見ると、筋線維や毛細血管の微細な損傷が発生してるそうです。これがStretching exerciseですストレッチ
 
 もともと筋スパズムは関節が動かないようにする防御反応的な役割があるので、引っ張って伸びるような仕組みにはなっていません。伸ばすと警告=痛みが出ます。痛いと筋は防御性に収縮します。すると結局は筋が短縮します...という理由で伸張運動は禁忌というわけなんですね

 だから「正しい伸張運動」ほど痛いし、後から悪くなることもあります 逆に少々いい加減で、関節も含めた全体的な「ストレッチ風の体操」のほうが、かえってリラクセーション効果が高いことがあります...なんてことを言うとまた「いい加減でいいの?」なんて誤解を招きそうだなにゃ

 ですので、私が思う効果的なストレッチ風体操の特徴を言いますね
①筋を伸張するのではなく、本来の長さまでの緊張や延長で止める。
全体や深部の動きを意識して行い、関節のモビライゼーションを起こす。
③末梢の筋や関節だけでなく、より体幹側の動きの改善を重視する。
④可動域(筋の長さ変化)よりも、体操後の運動の軽さを重視する。
⑤痛みが出るほど行わない。いわゆる「痛気持ちぃ」くらいで止める。

 うーん、やっぱり具体的な運動方法を書かなきゃ難しいかなぁ 上記の体操は結局、セルフ関節モビリゼーション筋弛緩法のような運動で、自力以外に重力や枕や杖などの外力を利用します。うん、やっぱり後日に具体的な運動方法を記事にしますねウィンク

 セルフコンディショニングに関してはgood-job777氏もよく記事にされてますので、ぜひご覧ください。合わせて最新の関連記事も
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