PT的レントゲンの見方第3弾です今回は病院では割とお馴染みの胸部編です 検診などでも必ず撮影しますよね!
私達の現場では、心臓リハビリテーションや呼吸理学療法を受ける患者さんに関連して「見る」機会があります
医師は画像を診て、肺炎や癌といった疾患を診断するのに対して、療法士はその『機能的変化』を考えて見ますので、理学療法介入前後の(骨関節・筋の)形態変化が重要になってきます。
今回は、私が以前学会発表で使わせて頂いた患者さんの胸部写真を掲載しています。左右は呼吸理学療法介入8日後の変化です。
(前後像)
赤線:胸郭の可動性改善に伴って、肋間(肋骨の間隔)が拡大します。肋間は全体的に拡がりますが、下位肋骨ほど横隔膜に引かれるので分かりやすいです。患者さんによっては2~3回もPT介入すれば、このような変化が見られます。
青線:胸郭の横径が拡張します。おそらくメジャーで測る胸郭拡張差とも相関するのでしょうが、誤差が出やすくてですね...。CTで横断面積を評価できたら、もっと確実なことが言えるのでしょうが。
黄線:横隔膜がより下方へ移動し、胸郭の縦径が長くなります。これは呼吸理学療法により横隔膜が活性化されたことを示唆しています。写真の患者さんはCOPDがあったので少し平低化が残っていますが、肺過膨張のない患者さんであれば、肋骨横隔膜角がよりシャープになり、横隔膜がよりドーム状に変化します。
→『横隔膜の本来の姿』
緑線:肺の拡張性増大に伴い、心臓の形状がやや細小化する傾向があります。これは薬物療法によるうっ血性心不全(心拡大像)の改善の影響も考えられますが、心不全のない方や薬物療法を行っていない方でも同様の変化があるので、1つは胸郭や横隔膜の機能回復が関連しているのではと仮説(想像)してます。
→『胸水は治せるか?』
以上です!1枚のレントゲンから分かることって結構ありますね。
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