私は以前、数年間ですがリハビリ専門校の教員をしていました 担任のクラスも受け持ち、授業・病院実習・国試対策と、教育のやりがいと大変さを知りました。

 ちょうど今の時期は短期実習をする頃ですかね  今日は元教員の立場から、学生さん、特に実習生に向けてアドバイスなど!でもこんなブログ、学生さん見るかな? 私が担任してた頃なら「そんなもん見るヒマあったら勉強せんかい」って言うだろうけど...でも学生さん、このブログは見ていいよ
( ゚∀゚ )v

 さて前置きが長くなりましたが、レポートやレジュメ関連で気になることなど。

1.問題点のシャープ」じゃない
 症例発表のとき、問題点の#1.ROM制限、#2.筋力低下...の「」のことをシャープって言う学生さん。これ正式には「ナンバー」って言うんだよ!結構多いんだよね シャープ」は音楽記号のことね。半音上げちゃダメだよ

2.機能障害(Impairment)の書き方
 Impairmentを書くときに「足関節の背屈可動域制限」、「股外転筋の筋力低下」とか書くけど、もっといいのは「器官・部位〉の〈原因〉による〈機能障害」という表記。例えば「腓腹拘縮による足背屈可動域制限」、「中殿筋廃用による筋力低下」、「膝部片麻痺による伸展筋力低下」、「肘部関節炎による疼痛」など。少し長くなるけどねこう書く理由は、治療の部位と対象と方法明確にするためです。どこをどう治すのか、治せる対象なのかをはっきりさせよう!だからもっといいのは、その機能障害が1次性(疾患の直接の症状)か、2次性(廃用や疼痛性などの2次的な症状)かも追記すれば、もう100点だー!!


3.能力低下(Disability)の書き方
 ICF世代なら活動制限のことね!PTでは起居・起立・歩行などの基本的動作の障害、OTなら更衣・入浴・排泄などの応用的動作の障害のこと。でも単に#1.歩行障害、#2.移乗動作障害と書いても、これではどう訓練すればいいのかが分からない。歩行障害(右立脚期の安定性低下歩行耐久性の低下)や、移乗動作障害(座位安定性の低下起立時の安全性の低下)などと詳しく書けば、どの要素を訓練すればいいか、一目で分かるでしょ!基本的には動作安全性(危険性)、安定性(バランス)、耐久性、スピードなどで成り立ってるよ!

4.社会的不利(Handicap)の書き方
 ICFの参加制約のことね!お得意のルーティ~ンでよく使うのが「生活範囲の狭小化」と「自宅復帰困難」...いや、そんなのわかっとるよ!みんなそうやもん!!
 Handicapは障害を持つその人がなぜ社会復帰できないのか、個人的・社会的理由を書くものです。例えば「介護者(妻や夫)が高齢で歩行障害あり」だったり、「経済的困窮により介護サービスの利用が困難」であったり、「長時間の座位と高度な知的作業を必要とする職業に従事」であったりするわけです。そう、本来Handicapは、私たち療法士が個人で直接解決できる問題じゃないんだね。

5.その他
① 検査・測定した日付や期間は必ず記載すること!いつやったかで、データの意味が全く違ってくるんだよ~。
問題点の抽出には、検査結果の統合と解釈が必要だよ!その思考過程を必ずレポートに記載しよ~。
③ ImpairmentやDisabilityの目標は、できるだけ数値目標をあげよう!例えば屈曲ROM+30°とか、歩行距離100mとかね。
④ 治療・訓練プログラムには、方法、強度、回数、頻度、注意点などをちゃんと書きましょう(ある程度幅はあってよし)
⑤ 考察に「私は~、患者様~、~だけど、でも~、~と思う、~です・ます。」のような表現は使わないよーにね!

 以上です  次回は「脳血管障害の患者さんの検査」について書きます。

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