18日間に及ぶ東京都知事選挙の総評です。

 

残念ながら田母神候補は落選となってしまいました。10年前の都知事選挙と同じく、無所属推薦なしでの4位でしたが、61万0865票(得票率12.55%)には大きく及ばない結果となりました。

 

以下、結果です。

 

当 小池百合子(291,8015:42.8%)

  石丸 伸二(165,8363:24.3%)

  蓮   舫(128,3262:18.8%)

  田母神俊雄  (26,7699:3.9%)

 

主要4候補のみとさせていただきますが、過去最多56人が立候補しました。投票率も60.62%と近年まれに見る高さとなりました。候補者乱立は悪いように捉えられていますが、私はむしろ民主主義国家として好ましい現象とさえ思います。それは有権者の選択肢が広がるからです。昨年の山梨県知事選挙は候補者3人でした。私は支持できる候補者がいなかったため白票を投じました。

 

さて、今回私が応援していた田母神候補ですが、10年前に投票した層の大部分を取り逃した結果となります。私の分析としては、この層の票が小池知事と石丸候補に分散されたのではないかということです。10年前に田母神候補に投票したのは、大きく分けて保守派と若年層です。保守派が蓮舫候補を当選させたくないとの思いから、小池知事に投票したのでしょう。そして若年層はSNSを駆使した戦略を取った石丸候補に投票したのだと思います。これは10年前に田母神候補が取った戦略でもあります。またこれら以外では、石丸候補が反自民反立憲共産の受け皿になったのだと思われます。

 

私は田母神候補の票が逃げた理由は、大麻解禁と反ワクチンの政策を掲げたことだと思います。この2つは私が危惧していたことです。田母神候補は都民税の減税や災害に強い都市づくり、自虐史観からの脱却という政策も掲げていました。この政策を見れば多くの都民、特に保守派は田母神候補に投票しようと思ったことでしょう。しかしここに大麻解禁が入ったときに、どれくらいの人が賛同するでしょうか。また、反ワクチンは非科学的で、保守派の多くが支持する自民党の政策と相容れません。反ワクチンを掲げる政党の筆頭は参政党です。事実、参政党の幹部が複数回田母神候補の応援演説に入り、参政党支持者の過半数は田母神候補に投票しています。もちろんすべてを思い通りにしたいのなら自分が立候補するしかありませんので、これからも田母神候補を応援し続けることに変わりはありません。

 

10年前に大きな支持と応援をいただいた故石原慎太郎元知事の逝去も、田母神候補の得票数に大きな影響を及ぼしたに違いありません。

 

私の中で当選した小池知事は「可もなく不可もなく」ならぬ「可もあり不可もあり」といった印象です。ソーラーパネル設置義務化などの愚策もありますが、関東大震災の朝鮮人犠牲者に追悼文を送らないといった保守派として支持する点もあります。田母神候補を応援した今回の都知事選挙でしたが、当選した小池知事にこれから頑張っていただくしかありません。