結果としては悔しいですが、不思議と感動的な千秋楽となりました。

 

照ノ富士関が大関に復帰した場所で2場所連続4回目の優勝を果たしました。前回大関の時には優勝がなかったので、大関としては初優勝です。そして関脇大関での連覇は伝説の横綱双葉山関以来、なんと84年ぶりのことです。

 

貴景勝関は本割で照ノ富士関を引きずり下ろしましたが、優勝決定戦で勝つことはできませんでした。ですが本割で勝ったことが非常に大きいことだと思います。貴景勝関も優勝に準じる成績でしたので、来場所次第では横綱昇進という流れになるでしょう。

 

そしてこの場所最大の立役者は遠藤関です。今日敗れて優勝はなりませんでしたが、遠藤関なくしてこの場所は語れないでしょう。技能賞は受賞しましたが、殊勲賞を受賞できなかったのは納得できません。優勝したら殊勲賞という条件でしたが、殊勲賞は優勝の副賞ではありません。照ノ富士関と貴景勝関の両力士に勝っている時点で、殊勲賞も該当しているはずです。今場所の遠藤関には殊勲賞・技能賞のダブル受賞が相応しかったということは、誰の目にも明らかです。しかし今場所遠藤関が横綱になれることを改めて確信しました。そういう意味では非常に希望を持てる夏場所でした。

 

それでは千秋楽の解説コーナーです。今日は優勝争いに関する取組のみの解説とします。

 

○正代-遠藤●

遠藤が立ち合いすぐにもろ差しとなり寄っていきます。土俵際で正代が左を巻き替え、体を入れ替えると、そのまま正面に寄り切り。遠藤は4敗となり優勝の可能性が消えました。

 

●照ノ富士-貴景勝○

立合い低く当たった貴景勝がすぐに体を開き右から突き落とすと、照ノ富士は残せず。両者3敗となり優勝決定戦へ。

 

☆優勝決定戦☆

●貴景勝-照ノ富士○

貴景勝が立ち合い当たるも、照ノ富士はカチあげで応酬。いったん離れ照ノ富士が押し込み、貴景勝が押し返すところを叩き込み。照ノ富士が優勝を決めました。

 

照ノ富士関の優勝で終わった夏場所ですが、貴景勝関と遠藤関の活躍のおかげで、近年例を見ない面白い場所になりました。次は2人の番です。この悔しさを晴らすため、来場所以降の活躍を期待したいと思います。