上の子、中学校入学。書類を色々書かないといけない。

「手術歴」という欄を見て、思い出した。

 

昔、4歳のときに頭蓋骨を手術しました。

頭蓋骨縫合早期癒合症(軽度三角頭蓋)、という診断をいただき。

 

1歳半頃から異常な行動が目立ち、

2歳半で広汎性発達障害の診断。

発達支援センターに通っていた。

同センターで知り合ったお友だちのママから

「軽度三角頭蓋」に関する情報をテレビでやってたよ~、と

世間話で何となく聞いたのが始まりでした。

 

三角頭蓋の詳細な説明は割愛しますが、

上の子も頭の形が変でした。

上から見ると顔の部分が頂点の三角形。

額には何だか縦線が入っている。

 

そしてどうやら、頭蓋骨が三角形になってしまうことで

側頭部(こめかみ周辺)の、言語や社会性をつかさどる脳の部分が骨に圧迫され

発達障害の症状を引き起こしてしまうらしい??

 

ほんとかいな、と思いつつ。

溺れる者は藁をもつかむ。

先天的な障害だから仕方ない、諦めるしかないと思っていた中で、

脳外科的なアプローチができるなら、やるしかないと思いました。

 

沖縄に有名な先生がいるらしいが、仕事もあって行けないので

都内のJ大学病院、脳神経外科に通ったのでした。

(現在はその先生はJ大学病院にはおられないようですが)

脳神経外科 - 沖縄セントラル病院 (jyujinkai.or.jp)

この先生の、息子さん先生。

 

4歳の上の子の前頭部をM字型に開き、

頭蓋骨を一部取り出して分割して再設置して縫合。

手術自体は頭蓋骨をいじるだけだから、大した手術ではないとのこと。

 

とは言え、今思えば、よくぞそんな手術を決意したものだ。

お金も数十万円かかったし。

発達障害への有効性は、賛否両論あるものなので「自己責任で」としか言えない。

ただ、やってみて思うのは、手術だけでは発達障害は治らなかったです。

全身麻酔するし、後悔する場合もあるかも知れないです。

また、術後、本来は脳を守ってくれる頭蓋骨が守ってくれないから

ハラハラしながら過ごしました。

半年はヘルメット(保護帽)をかぶる生活でした。

頭にフィットさせないといけないから、これも特注品。

10万円くらいしました。

 

ちなみに執刀医ではない、別の大学病院の主治医は

「三角頭蓋?ナニソレ?発達障害とは無関係でしょ」みたいな反応。

自閉症協会も、この手術には否定的。

 

でも、それまでオムツが取れそうもなかった上の子が、術後すぐオムツが取れ、

言葉も増えた・・・ように感じました。

プラシーボ効果?

薬じゃないけど「対処した」ことで私が安心した?

 

手術しても頭の形は横の楕円形。

普通は縦の楕円形なんだけど・・・形は悪いまま。

特性もASDでADHDには違いないのですが。

 

発達支援センターでもかなり「できない方」だった上の子。

それが中学校では普通級に入学できるまでになった。

手術して少しは良くなったのかな・・・と勝手に思っています。

「手術するか、しないか」でかなり迷ったけど、

手術しないまま、療育しても大して伸びなかったら

「あのとき、手術しておけばよかった」と後悔したと思います。

オムツがすぐ取れたのは、本当にびっくりしたし、うれしかった。

 

障害児の親は、いつも決断させられる。

「いつやるの?それともやらないの?」を何度も何度も経験させられる。

決断して後悔することもあるし、決断しなくて後悔することもある。

 

だから、その当時、最善を尽くした自分をねぎらうことしかできない。