拙著「李先生の気功健康講座」(元就出版社)に紹介する術例③P71
実例③ 実際にストレスに苦しむ患者 Yさん(六十一歳)
Yさんは女性の会社経営者である。症状としては 1、頭蓋骨と頭皮の間にスポンジのような良くない物質がある。2、右肩の五十肩。3、右手の中指に時々激痛が走る。4、 真夏でも汗が出ない。5、首と背中の筋肉がゴムのように凝っている。
Yさんの特徴は頭蓋骨と頭皮の間にスポンジのような良くない物質があり、八月の三十七、八度にも達する暑さでも、汗が出ないということで。苦しい毎日を過ごしていると言う。
Yさんの話では、この状態が三十年ほど続いている。Yさんがよく通っている美容室のスタッフに「奥様、長生きできないですね」と言われたそうだ。東京都内のいろいろな病院で検査を受けても、レントゲンをとっても、すべて「異常なし」と診断された。
病院の検査方法は西洋のやり方で、目に見える範囲内で判断する。これは私の気功の立場とまったく違うところだ。気功の判断基準は簡単に言えば、「気」という見えない物質の流れだ。要するに、気が進んで行けば、血のめぐりが良くなる。気が止まったら、血が詰まる。
Yさんの体の問題は気が止まっていることのように思う。なぜ、気が止まっているのか。ふだん体を動かさないからだ。端的に言えば体を動かすのがおっくうなのだ。体を動かさないと、汗が出ない。汗が出ないと、体にたまっている老廃物や塊などが出られず、内臓の働きは低下してしまう。そうすると一日、一年、十年繰り返されて悪循環となっていく。
Yさんの同じような状態の五,六人ほど女性がこういう症状になっている。こういう女性には同じ特徴がある。体を動かすのがおっくうなのだ。
みんなの話では、週末になると、ゴルフをやるそうだ、ゴルフの場合は遊びで、運動のうちには入らないだろう。また、スポーツクラブでヨガをやる人がいるそうだ。ヨガをするとき、冷房はついているかと私が聞くと、答えはついていると言う。それはちょっと変だ。ヨガの場合は厳密に言えば体操だ。体の筋を延ばし、柔らかくするための体操だ。もしかしたら、高齢者には合わないのかもしれない。
Yさんに「気のパワー」をともなったマッサージをした時、Yさんの頭には針が刺さったような痛みが出た。このことは半年後、Yさんが私に教えてくれた。Yさんのすごいところはその痛みをずっと半年間我慢してきた事だ。一年ほど経って奇跡が現れ始めた。
ある日の朝、大量の鼻水と痰が出た。ティッシュペーパーひと箱近くも使ってしまったそうだ。「先生、これはどういうことだろうか?」と聞かれた。私は聞かれたとたんに、すぐわかった。これは奥さんの頭皮と頭蓋骨の間に何十年間も貯まっていた、良くない物質が解け始めて出てきたのだ。簡単に言えば、私の体の中の「気のパワー」がYさんの体の中に流れ込んで、その良くない物質を駆除したのだ。そのスポンジのような物質が体内に解けこんだら、体の外に出さなくてはならない、そこで「鼻」と「口」が出口となったのだ。これは西洋医学でもどうしても説明できないことだ。
一年過ぎた頃、Yさんは突然匂いが感じられなくなった。
Yさんは再び私に尋ねた、「先生、これはどういうことですか?」
私は次のように答えた。「今、鼻孔から良くない物質を排出している、だから、臭覚の機能はしばらくの間、効かなくなっているのだ。心配することはない。悪いものを出し切ったら、自然に臭覚は戻ると思う。Yさんはもちろん半信半疑だった。一年から二年の間、Yさんは週一回ほどのペースで鼻水と痰が出ていたが、量はだんだん少なくなっていた。
私の気功による整体を受けながら、Yさんは有名な病院を訪ねてみた。その先生の答えはYさんをがっかりさせた。臭覚を失うと二度とその機能は回復しないと言われたからだ。
いつもマッサージの途中でYさんは、「臭覚はいつ戻ってくるの」と聞く。私の答えはいつも同じだ。仕方がない。Yさんは待つしかない。とても大事な臭覚が効かなくなったことはセレブの生活を過ごしているYさんには大きな、大きなショックだった、こういう症状は見えないものなので、もちろん手術もできない、お医者さんが何度診察しても薬が処方されるばかりだ。
時々、時間というものはタイミングを合わせてくれたと思えるほど、信じられないことが起こる。
ある月曜日の夕方、私が定刻にりYさんのご自宅に伺うと、Yさんは嬉しそうに「先生、昨日ゴルフをした時、汗が出た」と話をしてくれた。この話を聞いたとたん、Yさんの体内の「気の道」がだんだん通じるようになったのだとわかった。つまり、Yさんの体の中の「気の循環系統」はだんだん回復し、働き始めたようだ。
一年過ぎた頃、Yさんの体には二つ小さな変化が現れた。
一つは風邪を引いていないのに風邪を引いたような声になっていたことだ。周りの人からは「奥さん、風邪ですか」とよく聞かれた。Yさんは「大丈夫、風邪ではないです」と答えていた。風邪を引かないのに、なぜ風邪のような声になるのか、周りの人は納得できない。これは私だけがわかることだ。鼻孔と口から悪いものが排出されているからだ。
もう一つはYさんの頭から「にがり」のような変なにおいが出始めたことだ。すごく強烈なにおいだ。それは私の気功のパワーがYさんの体に入って良くない物質と戦って駆除しているからだ。その悪いものが頭から逃げたということだ。何十年もたまった悪いものだから、短期間では無理だ。いまでも時々そのにがりのようなにおいを私は感じる。もちろん、これは全部見えない戦いだ。
二年過ぎたある日、マッサージを開始から二分ほど経った時、Yさんは「先生、今日料理する時、匂いが感じられた、うれしい。」と楽しそうにおっしゃった。私はそれを聞いたとたんなぜだかわかった。四十年ほどYさんの体にたまっていた、良くない物質がほぼ体から出ていったのだと思った。もちろん良くない物質はまた毎日発生する。大事なことはこの目に見えないものが、いっぱいたまらないうちに外に出すことだ。
一年半ほどでYさんの右手の中指の激痛が消えた。Yさんの話ではひどい時は人との握手もできなかったそうだ。今は、Yさんの五十肩の痛みも消えた。肩は完全にあがるようになった。Yさんがいつも通っている美容室の店員は、この間、Yさんの頭を触って「奥さん、頭にたまっているスポンジのようなものが消えています。どうして消えたのでしょう」とYさんに尋ねた。Yさんは「中国人の気功整体師からの治療で消えた」と答えた。多分店員さんたちは納得できなっただろうと思う。
Yさんが故郷の福岡に帰った時、長年お世話になった按摩さんが久しぶりに来て、Yさんの頭と首に触ってびっくりしたという。「奥さん、あのスポンジのようなものはどういう風に消えたのか」とYさんに尋ねて、Yさんの答えは「中国の気功整体師からの治療で消えてしまった」だった。その按摩さんも納得できなかっただろうと思う。彼らの立場から考えれば不可能なことだ。でも、不可能なことが可能になった。
Yさんの場合は、典型的にこの「気の循環系統」の乱れでできた「症状」だ。こ症状は癌などのような病と違う。どんな最先端の医療機械で調べてもわからない、だから、西洋医学では認められにくいのだ。
Yさんは、高級マンションに住んでいる。部屋はとてもきれいだ。毎日無農薬の野菜、食品などを食べている。外観から見ても、絶対病気などなく、品のある女性だと思われる。したがって、自分の体の苦しさは、ご主人と子供にも言えず、言っても意味がないと思っているのだろう。私は、Yさんの頭を触るとすぐ状態がわかる。その一年間、それぞれ一回のマッサージ時間は六十分だが、頭だけで四十分ほどかかる。
Yさんへの一年半の気功整体での効果のまとめてみる。
効果1、頭蓋骨と頭皮の間にあったスポンジのような良くない物質が消えた。
効果2、右肩の五十肩が良くなり、腕が上がるようになった。
効果3、右手の中指に時々走った激痛が消えた。
効果4、汗が出るようになった。
効果5、ゴムのように硬かった首と背中が柔らかくなった。
Yさんを苦しませた原因には三つある
第一は、Yさんはたくさんのセレブの奥様と同様、体を動かすのがおっくうになっていたことだ。したがって、出すべきものが出せない、すると、それは自ら出口を探さなければいけないので、どこかの臓器にむかってしまう。これが、「病気」の始まりだ。
第二は、私と知り合う前、Yさんには三人の按摩さんがついていたそうだ。大体一週間に五、六回按摩をしてもらう。その三人の按摩さんは毎日の仕事で多くの病人の体を触ったりしていたため、患者さんからいろいろな病の気をもらっていた。その悪いものが按摩さんの手を通じてYさんの体に移った。Yさんの体は元々弱い体質で、悪いものがすぐ体内に侵入しやすいタイプの体だ。一年、十年、そして何十年もの間、按摩にかかればかかるほど、体はだんだん悪くなっていった。初めにYさんと会ったとき、Yさんの体が灰色(のもの)に包まれたように見えた。Yさんのように問題がある女性は二十パーセントいると思う。どんな病院でも、どんな最先端の医療設備で調べても、どんな有名な先生に見てもらっても、病名がわからないし、治らない。
第三は、よくよく考えると、Yさんの体が悪くなった原因は、もう一つある、それはYさんが、いつもハイカロリーな食べ物やアワビなどの高級食材を食べていたことだと思う。Yさんの体は栄養が足りないのではなくて、五臓六腑の循環が良くなかったことによるもので、こういう高栄養のものは食べれば食べるほど、逆に病気の原因と成り得る。だから、頭蓋骨と頭皮の間にスポンジのようなものができてしまったのだと思う。
Yさんと同じの症状を持っている人は多いらしい。みんな苦しくても原因がわからない。対応のやり方が下手だと、一生苦しむことになる。こういう病症はどんな最先端の医療器械で調べても見えないものだ。Yさんのご主人の話しでは「うちの女房は、東京の有名な病院の院長や理事長をよく知っている」とたとえそうでも、Yさんの体の見えない苦しみが解決できない。