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to Dr.ブリジストン

これは手紙です。

先生、

家族と言い争いになりました。
怒りを抑えきれなくて我を忘れました。

しばらくして愛猫の姿が見えないことに気がつきました。
彼は玄関で小さくなっていて、
きっと人間の喧嘩が怖かったんだろうって思いました。

部屋に連れ帰った時、彼の顔と手に血が付いていることに気づきました。
彼の怪我は思いのほかひどく、すぐに病院に連れて行きました。

でも私には彼がどうしてけがをしているのか分かりませんでした。

答えが出たのは、お風呂場ででした。
私の足には痣になるほど深い引っ掻き傷ができていました。

家族の話などを聞き、喧嘩の最中の彼の行動が明らかになりました。


彼は、喧嘩で興奮して家を飛び出そうと私に飛びかかったのです。
体当たりで足にしがみついたのです。

我を忘れた私を抱きとめてくれたのは、
私のことを見捨てず立ち向かってくれたのは、
家族ではなく、彼だったのです。

涙が止まりませんでした。

彼は指を一本失う結果となりました。
けがが回復した今、彼は昔と変わらず私と生活しています。
私と一緒に眠り、一緒に起きだします。

知らず知らすのうちに、私は自分中心で生きていたこと、
彼に教えてもらうなんて。


sa.