



その時は馬瀬川、長良川、吉田川と有名河川を釣り歩きあまりの人の多さに驚き、長良川の源流の町白鳥
町から恐ろしく高低差のある峠を越えて行った川だと記憶していた。
蜘蛛の巣を掻き分けて源流を目指し釣れたのは岩魚2、3匹だったと思う。
今回の釣行は久しぶりに悩みに悩んだ。
葛根田川で気分を悪くししかも仕事に追われ時間が作れなかった、おまけに天候が悪くしとしとの雨続き
だった。会津の桧枝岐川に行こうかと思ったが雨がやまない、尾瀬越えで只見川に行こうかとも思ったが
何せ体調が最悪だったから体に優しい川を考えた。
とりあえず新潟を抜け県南の青海川を見てみた、激流で爆発していた!先日の雨がまだ引かないらしい。
お隣の大平川も同じだった、ついでに富山の片貝川、早月川も覗いてみたが手のつけようが無い有様だ。
早月川にてんからの釣り人がいたので少し一緒にやらして頂いたが全く出ないし流されそうになったから
そうそうに諦めた。
そこで翌日、手取川の支流に行こうと決めて金沢から中部を目指すとまたまた雨が降ってきた。
仕方なく何回か峠を越えて九頭竜湖が見えてくるあたりまで来たらポッカリと晴れ間が!
「そうだ!昔来た石徹白川に行こう」と発作的に進路を変更した(ここの閃きが幸いした)
以前来た時はCRは無かった、ガイド誌を紐解くと白鳥町への峠川のみCRで他の本流支流はフリーとの
事。漁協で話を聞くと昨日は30人、今日はまだ10人程だから顔くらいは見えるだろうと素知らぬ顔で
「はい、1000円頂きます」って結構商売人のおじさんだった。
10年程前にCRが出来て結構人気の川だと聞いてはいたが以前のひっそりとした山奥の感じは全く無く
なり駐車スペースにはひしめき合う程の四駆だらけで川を見渡せばそこいらじゅうフライマンとルアーマ
ンが一生懸命放流魚と戦っていた。
「しまった、また撃沈か?」とほぼ諦めたが何とかCRの上流部が空いていたので竿だけだそうと川に
降りてみた。一流しして良く見ると「ん?」15cm足らずのプリプリの放流魚がしきりにフライを追っ
ている、釣っても釣ってもこのサイズ。「あ~ここまで来て何やってんだ」
もう今日はやめようとふて腐れて以前行った本流を見に神社下に降りてみた。何とそこには10台以上の
車があった、信じられないが皆餌釣りだと言う。(岐阜県は海が無いから皆川釣りをするらしい)
ダブルパンチの連続でどうしようも無く廃墟感に襲われた。が、川の中を覗くとちらちら魚の影が・・。
駄目もとで餌釣り師が5~6人が釣り上がっただろう本流を第一堰堤まで釣り上がる。
最新の注意を払い超シャローの際釣りに徹した。(真瀬川もそうだが人気の川は本命ポイントは魚がいな
いケースが多々ある、だから浅瀬の脇や砂地の石を丹念に叩くと思わぬ結果が待っている)
それにしてもCR区間とは全く違い暴れ川の様相だ、川の真ん中に直径1mの大木が横たわっていたり
少し大きめの石の上を歩くと石が動いて足元が覚束ない、だから魚が残るんだろうと思う。
水深僅15cm位の何の変哲も無い浅瀬でゆらゆらと見え隠れする黄色いお腹の岩魚を見つけた。
ここ一番のバイジビブルの18番に交換しティペットも8xに、すると朝から何人もの釣り人の目を掻い
潜り素知らぬ顔の岩魚がふらっとフライに寄って来た。
「いくよ」って声を掛けられたくらいゆっくりとフライを咥えた岩魚は流芯まで走りその独特の引きで
泳いでる、「やっぱりいたんだ!」
殆んどの餌釣り師の竿を見ていると今流行の長竿ばかり、きっと足元は手付かずの筈だからだ。
読み通りのパターンで釣れたから凄く気分を良くし鼻歌交じりでそっと岩魚を掬うと22cm位の可愛い
岩魚。「やっと逢えたね」って写真を撮らしてもらい流れに返すと先ほどと全く同じ所に帰って行った。
よっぽど浅瀬がお気に入りなのだろう。
不思議な事に堰堤までの2時間くらい浅瀬パターンで15~6匹も同型の岩魚と遊ぶ事が出来た。
しかし堰堤の少し手前から全く魚が見えなくなりどうしたものか?と思案しているとすぐ前でルアーマン
を発見した。「ルアーの後でもこんなに釣れるんだ」と密かにガッツポーズをし「どうですか?」と声を
かけると「全然駄目です、一匹の魚も見えませんでした」との事。
聞けば今日、石徹白川だけで30人はいるとの事。凄い人気だ!
再びCRに戻ると一生懸命ロッドを振っているフライマンがまだ4、5人はいた。
誰に聞いても釣れましたよって言葉は無かったからひっとして今日はついていたのかも知れない。
しかし釣り人の多さには驚く、何がそんなに熱くさせるのだろう?
何がそんなに面白いんだろう?
自分にも聞いてみたいが答えが怖くて聞けなかった。