書籍「幸せな牛からおいしい牛乳」2007年3月発行  | 日々是湧日 ヒビコレユウジツ

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2021年までは、主に映画(ドキュメンタリー多、ネタバレ多)・書籍からの感想、2023年からは、映画・書籍にとらわれずにやってます。

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 自然放牧酪農家である中洞正氏が書いた本。

【一般の乳牛の育て方】
①1日中、狭い牛舎の中で育てる。
 →運動量が少ないから牛乳の脂肪分が多くなる。
②輸入の濃厚飼料を与える。
 ・遺伝子組み換えのとうもろこし
 ・ホルモン剤・抗生物質を与えている牛の骨粉(狂牛病の原因になった)
 →カロリーが高いから牛乳の量、脂肪分の量が多くなる。
  本来牛はとうもろこしを食べる動物ではない。
③ホルモン剤を与える。
 →人工授精して何回も出産し、牛乳量を多くするため。

  ※抗生剤は豚や鳥には与えているが牛には与えていない。

不自然に与えて、不自然に大量に牛乳を絞りだす。
まるでフォアグラのようだ。
メーカーが「無調整」という言葉を使いだして、消費者に新鮮な印象を与えているが、実際には牛乳は「無調整」だが餌は「調整」されている。

【自然放牧酪農】
これに対して、自然放牧酪農は、
①24時間365日放牧。(搾乳時だけ牛舎内)
②肥料を与えない野芝等自然の草だけを食べさせる。
③ホルモン剤・抗生物質を使わない。
④自然交配・自然分娩。
⑤ノンホモ・低温殺菌。


また、以下の3つを満たしている酪農家は日本に4社しかない。
①放牧している
②輸入飼料を食べさせない
③ノンホモ・低温殺菌
この放牧をしている酪農家はわずか2%。

中洞牧場はできるだけ自然に牛を育てている。
ストレスが少ない健康な牛からの牛乳を提供している。
筆者は、上記を満たさない酪農は日本には不要であるという。

【牛乳の比較】
①殺菌方法
 ・中洞牧場→65℃30分の低音殺菌
 ・一般   →120℃~135℃2秒の超高温殺菌

 超高温殺菌は、牛乳の風味が失われ、加熱臭と焦げ臭さを感じる。

②ホモとノンホモ
 ・中洞牧場→ノンホモジナイズ
 ・一般   →ホモジナイズ

 ホモジナイズとは、牛乳を高速回転して脂肪球を破壊して細かくすること。
 超高温殺菌では、脂肪球がこびりつき商品化できなくなるのでそれを避けるため。
 (ホモジナイズの問題点)
 脂肪球が破壊される→表面積が増える→空気と多く接する→酸化が進む
 →過酸化脂質を生成→酸化臭が出て、ガンの発生原因とされている。 

 画期的風な不自然な発明には、別の不都合が出てくる。

③脂肪分
 ・中洞牧場→乳脂肪分が3.0%以上 
 ・一般   →乳脂肪分が3.5%以上 
「3.5牛乳」などと表示される。
濃厚飼料などを与えることで脂肪分が増える。
自然の野芝などを餌とした場合、脂肪分が3.5%までにならない。
濃い牛乳が人気になったこともあり、農協と乳牛メーカーが3.5%以上を会員の酪農家に押し付けた。(1987年)
3.5%未満の牛乳の買い取り額が半値以下になり、酪農家は大打撃を受けた。
自然放牧の酪農家を排除するような決め事である。

ここもなかなかの狡猾さだ。

これだけ不自然でも濃い牛乳を飲みたいものだろうか?

④包装
 ・中洞牧場→ガラス瓶
 ・一般  →紙パック
 紙パックは紙の臭さがある。
 

【感想】
当たり前に売られていて口に入れてるもの。
メーカーや政府の基準を信用して生きてきた。

しかし、実際はそうではないものばかりが世の中にあふれていることが常識になってきた。
このように詳しく知るとリスクがある事実がわかってしまう。
信じたくないことを知ってしまうことになる。

「加工品」というものの難しさ、恐ろしさ。
メーカーが発明する新たな加工法。
人体にどういう影響を与えるのか、しっかり監視しないといけない。

そして牛乳も殺菌などの工程も含めて非常に手間がかかっている。
それだけのことをして、飲む必要があるものなのか?
と感じてしまう。
殺菌などせずにそのままいただける野菜などが人の食べるものなのではないか?とも。
そもそも、牛乳は戦後アメリカの余剰を日本に押し付けたことから給食に入った経緯がある。

世の中には不要なものがあふれている。
残念ながら誰かが作ってしまって広告で知ってしまったから、買うか迷うようになっただけで、存在しなければ要らないものばかりだ。

新しい商品は人間の持つ創造性の結実ではあり素晴らしいことではあったが、今となっては地球のゴミが増え環境を悪くすることになってしまった。
 

生活必需品が満たされた今、

「欲を物で満たすことで幸せを得る」という生き方は果たして豊かなのだろうか?
物欲、食欲(美味しいもの欲)だけでは決して人は満たされないと感じる。
そこに囚われると、本当の豊かさが物欲に奪われ、仮想の豊かさに飼いならされて生きてしまうように思う。
本当の豊かさは、「やった事」であり、「人と人との関係性」にあると思う。
(生活必需品が足りていない人々には物はもちろん大切だと思う。)

一方で、生活必需品である水、穀物、野菜などの安全性が奪われている。
ここにおいては物の大切さが、生きるために急激に再浮上している。

本に戻ると意外だったのが、中洞氏が「日本人はそんなに牛乳を飲まなくてもいい」と書いているところ。
そもそも、日本人のもともとの食生活には牛乳はないので不要であると言える。
滋養のための特別なものとして少しいただければいい。
滋養になるわずかな牛乳に限るのだろうが。
酪農家である中洞氏が、牛乳を押し売りしていない。
ここが、客観的であり潔い。

この考え方は非常に共感できて、信頼できる。

私は、ここ少なくても10年は牛乳を飲んでいない。
外食に紛れることはあっても自分で選んだりはしない。
牛乳不要論者である。

最近の本「牛乳のワナ」では、牛乳が健康に与える悪影響が紹介されている。
牛乳を摂取するとガンになり早死にして骨粗しょう症にもなると言う。
牛乳が、それらを含む35の病気の原因になっている。

そして、肉、乳製品を摂らないと 難病、奇病もみごとに治ると言っている。
しかし、この結果が出た調査は、上記自然放牧した牛乳で行われていないと思う。
(想像ですが)
 

自然放牧した牛乳

①24時間365日放牧。(搾乳時だけ牛舎内)
②肥料を与えない野芝等自然の草だけを食べさせる。

 輸入飼料を与えていない。
 ・遺伝子組み換えのとうもろこし
 ・ホルモン剤・抗生物質を与えている牛の骨粉
③ホルモン剤・抗生物質を使わない。
④自然交配・自然分娩
⑤ノンホモ・低温殺菌。


ホモジナイズがあるいは抗生物質があるいは農薬が病気の原因かもしれない。

直観的には、病気の原因は「加工」にあるのだと思う。

人間のやる加工はいろいろな悪さをしてきている。

発酵による加工は自然がすることだから体にも自然だ。

「加工」と言う行為はしないと生きていけない場合の最後の手段ではないかと思う。

 

こちらの情報も吟味しながら、直観も信じながら自分の選択をしていきたい。
アップデート、アップデート!

少し前の有名な映画「フードインク」を見ると食のリスクについて、またつながって理解できると思う。