闇の中からのぞく視線。 ~ 「隠し砦の三悪人」 と 少年時代の思い出 ~ 九州 英彦山 | 奈良ふしぎ歴史徹底攻略! 学校・教科書では教えてくれない奈良を親子でも100倍楽しめる観光ガイドブックブログ

闇の中からのぞく視線。 ~ 「隠し砦の三悪人」 と 少年時代の思い出 ~ 九州 英彦山

むかし。

といっても、私が小学生の頃のお話です。

今はもういないおじいさんが、九州福岡の田川というところに住んでいました。

田川といえば五木寛之「青春の門」の舞台でもあります。
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その昔、炭鉱でならしていた町です。
夏休みに一家で、おじいさんの家へ訪れました。
九州へはフェリーでゆき、港からは山奥のおじいさんの家まで、えいえんと車にゆられます。

ある日のことです。

田舎で近所に電灯がないので、日が暮れるとあたりは真っ暗闇です。
大人たちの間でなにがどう話がついたのか、「お祭りにいこう」となり、車で移動することになります。
夜の8時をまわっていたと思います。
真っ暗な道を山の奥へ奥へと向かっていたのでしょう。
普段はとっくに寝ている時間なので、眠っていたらしく目的地で起こされました。
その後、ぼーっとしていたのでしょう。
気がついたら長い石段を手を引かれて上っていました。
灯篭の灯りがずっと上までつづいています。
意外と多くの人が行き来していましたが、薄暗いのでお互いの顔がわかりません。
訪れたお寺がなんというところかは覚えていません。
山門をくぐると、無数のお地蔵さんが山となってひしめいていました。
一体一体に灯火がともされています。
兄がふざけて「この中におまえに似た地蔵があるぞ」といいました。
小ぶりなお地蔵さんは、それぞれ表情、背かっこうが違っていました。

お参りを済ませます。
さてお祭りはどこであるのだろうと思いつつ、大人たちについて石段をおりていきます。
この頃、お祭りと言えば、目当ては夜店です。
が、驚いたことにたどりついたのは、まるで山の上を平らにしただけの広場でした。
そこには、発電機で明かりをともしたテントが一組あるだけです。

スピーカーから、くりかえしながれるのは民謡に、なにかの音頭です。
何にしろ大人の聞く知らない音楽という印象です。
華々しい祭りの雰囲気とはかけ離れています。
広場の外側は、民家の明かりひとつとしてない、塗り込めたような闇です。
期待していた夜店がなくがっくりしていました。
兄たちは気がつくと従兄弟たちとどこかへまぎれていきました。
正直、ツマラナイ思いでいっぱいで、ひとり所在なくぽつねんとたたづんでいました。

なにをきっかけではじまりなのか、てんでばらばらに踊りだす大人たち。
かろうじて明かりに照らされただけの広場です。
それを見ているしかありませんでした。
踊りのひとびは、やがて広場に輪を描くようになります。
一人のおじさんが、腰に幾つものの空き缶をぶらさげています。
浴衣をはだけさせながら、飛び跳ねるように舞っています。
ひょうきんな人だなぁとおもっていたら、ふと私のそばにきて、
「見ちょらんといっしょに踊らんと。つまらんよ。」
ぶんぶん首を振る私に、
「人間、年に一回は馬鹿にならんといかんよ。」
たじろいていると、また踊りの中へ戻って行きました。
広場にいた大半の人たちが、輪に参加していました
みな運動会のダンスのように、動作をあわせることなく思い思いに踊っていました。

そして輪は、大きな流れのようになります。
踊る人たちの熱意がすごく、だんだん見とれていました。
何度となく、ふっと何か視線を感じ、振り返ると、その先はやはり闇でした。
山の中のお寺。闇の中とくれば、オバケを連想し怖がっていたものです。
その夜に限っては不思議と恐怖を感じませんでしたね。
闇のむこうに、なにかに見守られているような視線を感じていました。
錯覚かもしれません。
とても幻想的な光景であったと今も記憶しています。

映画の「隠し砦の三悪人」という黒澤明監督の映画があります。


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そのリメイク版、嵐の松本潤、長澤まさみが主演した映画を見ていたときのことです。

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山の民たちが、大きな焚火のまわりで踊るシーンがありました。

それを見ていて、このときのことを思いだしました。
町のお祭りとは一風違う祭りです。
粗野で、
てんでデタラメなようで熱狂的な踊りを披露します。
みな満面の笑みをうかべ、楽しそうです。
ちょうどその雰囲気と似ていたのですね。

その翌日、親戚一同で、英彦山に訪れました。
そのときに英彦山に訪れた時におじさんに買ってもらった土鈴がいまでも家にあります。
土鈴には英彦山という文字と、天狗の顔をあしらっています。



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