火の鳥―太陽編―と、妖怪大戦争【日本古代最大の内乱・壬申の乱】
7世紀後半のことです。
近江大津宮(おうみのおおつのみや)。
病床の兄は、最期を悟り、弟を枕もとに呼びつけた。
弟は、馳せ参じると、傅き、兄の体を案じる言葉をかける。
ふたりの間に、緊張が走る。
兄は伏せたまま、弟に語る。
「予はもう永くないらしい。
予のあとのことは、弟であるお前に任せる。
くれぐれも政(まつりごと)を頼むぞ。」
瞬間、弟は背筋に寒いものを感じた。
はじかれたように弟は、顔をあげた。
「兄君!兄君の御子がおられるではないですか!
私は皇位をいただく気はありません。」
「なんじゃと・・・」
「私は兄君のおのぞみのとおり、仏法に帰依いたします。
どうぞ、御子を新しい王(おおきみ)になされよ。」
兄は、すっかり興奮した様子で、
「ウーム!よくぞ、よくぞ決心した!
兄はうれしく思うぞ!」
「兄君、ご心配なくご養生を・・・」
そういって弟は部屋を後にした。
兄は天智天皇。大化改新で、蘇我入鹿を討ち取った中大兄皇子(なかのおおえのおうじ) 。
そして弟は、大海人皇子(おおあまのおうじ)。後の天武天皇。
天智天皇亡きあと、皇位を賜ったのは息子の大友皇子(おおとものみこ)。
大海人皇子は、その後、出家し吉野宮(奈良県吉野)に下った。
後に、壬申の乱(じんしんのらん)とよばれる日本古代最大の内乱の幕開けで会った。
手塚治虫の名作「火の鳥」太陽編。
未来と過去が交錯する物語の中の、過去の世界背景です。
壬申の乱を扱ったこの物語には、もう一人、主人公がいます。
顔がオオカミで、体は人間。
大陸での戦いで負けた百済の王族ハリマ。
敵将に顔の皮をはがれ、オオカミの面をかぶせられます。
命からがら倭国(日本)に逃げ込み、そこで、産土(うぶすな)の神と交流をもちます。
叔父と甥。血族同士の戦いである壬申の乱。
火の鳥―太陽編―の過去の世界では、もうひとつの戦いを描いています。
それは、蘇我馬子(そがのうまこ)、聖徳太子が国を統べるべく大陸より招き入れた仏教と、
日本古来からの神々(産土の神)との戦いです。
亡き天智天皇の意志を継ぎ、仏教を押し広めようとする大友皇子。
それに対し、地方豪族の力を借りて反乱勢力を築く大海人皇子。
権力の争奪と宗教戦争のようそうとなります。
産土の神、拘族、天狗、鬼と呼ばれるもののけたちと、仏教の守護神達との戦い。
壬申の乱とともに、妖怪大戦争がくりひろげられます。
ハリマは、倭国でク腐犬(クチイヌ)または、犬上宿禰(いぬがみのすくね)とよばれます。
産土の神を庇護する立場で、大海人皇子の勢力に加担します。
結果、大海人皇子が勝利し、後に天武天皇となります。
御存じのとおり、仏教は残ります。
東大寺大仏殿、大仏の四方を守護する四天王の像。
広目天、増長天、多聞天、持国天の足元に邪鬼が踏みつけられています。
それは、古来より土地を守っていた産土の神なのかもしれませんね。
近江大津宮(おうみのおおつのみや)。
病床の兄は、最期を悟り、弟を枕もとに呼びつけた。
弟は、馳せ参じると、傅き、兄の体を案じる言葉をかける。
ふたりの間に、緊張が走る。
兄は伏せたまま、弟に語る。
「予はもう永くないらしい。
予のあとのことは、弟であるお前に任せる。
くれぐれも政(まつりごと)を頼むぞ。」
瞬間、弟は背筋に寒いものを感じた。
はじかれたように弟は、顔をあげた。
「兄君!兄君の御子がおられるではないですか!
私は皇位をいただく気はありません。」
「なんじゃと・・・」
「私は兄君のおのぞみのとおり、仏法に帰依いたします。
どうぞ、御子を新しい王(おおきみ)になされよ。」
兄は、すっかり興奮した様子で、
「ウーム!よくぞ、よくぞ決心した!
兄はうれしく思うぞ!」
「兄君、ご心配なくご養生を・・・」
そういって弟は部屋を後にした。
兄は天智天皇。大化改新で、蘇我入鹿を討ち取った中大兄皇子(なかのおおえのおうじ) 。
そして弟は、大海人皇子(おおあまのおうじ)。後の天武天皇。
天智天皇亡きあと、皇位を賜ったのは息子の大友皇子(おおとものみこ)。
大海人皇子は、その後、出家し吉野宮(奈良県吉野)に下った。
後に、壬申の乱(じんしんのらん)とよばれる日本古代最大の内乱の幕開けで会った。
手塚治虫の名作「火の鳥」太陽編。
未来と過去が交錯する物語の中の、過去の世界背景です。
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壬申の乱を扱ったこの物語には、もう一人、主人公がいます。
顔がオオカミで、体は人間。
大陸での戦いで負けた百済の王族ハリマ。
敵将に顔の皮をはがれ、オオカミの面をかぶせられます。
命からがら倭国(日本)に逃げ込み、そこで、産土(うぶすな)の神と交流をもちます。
叔父と甥。血族同士の戦いである壬申の乱。
火の鳥―太陽編―の過去の世界では、もうひとつの戦いを描いています。
それは、蘇我馬子(そがのうまこ)、聖徳太子が国を統べるべく大陸より招き入れた仏教と、
日本古来からの神々(産土の神)との戦いです。
亡き天智天皇の意志を継ぎ、仏教を押し広めようとする大友皇子。
それに対し、地方豪族の力を借りて反乱勢力を築く大海人皇子。
権力の争奪と宗教戦争のようそうとなります。
産土の神、拘族、天狗、鬼と呼ばれるもののけたちと、仏教の守護神達との戦い。
壬申の乱とともに、妖怪大戦争がくりひろげられます。
ハリマは、倭国でク腐犬(クチイヌ)または、犬上宿禰(いぬがみのすくね)とよばれます。
産土の神を庇護する立場で、大海人皇子の勢力に加担します。
結果、大海人皇子が勝利し、後に天武天皇となります。
御存じのとおり、仏教は残ります。
東大寺大仏殿、大仏の四方を守護する四天王の像。
広目天、増長天、多聞天、持国天の足元に邪鬼が踏みつけられています。
それは、古来より土地を守っていた産土の神なのかもしれませんね。