令和4年9月23日に西九州新幹線が開業し、風光明媚な長崎本線を長年走っていた在来線特急かもめが廃止となりました。

 バス会社に勤務する故、2~3日の休暇を取ることも難しいのですが、運良く何とか廃止前に在来線特急かもめの乗り納めをする事が出来ました。

 ただし、1回目の道中訳あって1回では目的達成ならず、2回目のリベンジで達成する事に(笑)。

 時間を作って旅に出ることが困難なバス業界に3年半年前に転職していたため、このところブログ記事の殆どがラーメン等の食べ物の記事や過去記事のリバイバルとなっていましたが、久しぶりに少しまともな記事を書けそうです(笑)。

令和4年7月7日、昼過ぎに仕事から解放されるバス運行の指令だったため、帰宅して急ぎ列車に飛び乗り兵庫県神戸市の六甲アイランドへ。乗船するのは、阪九フェリー『せっつ』です。

この日の夕方から翌朝まで、阪九フェリーの人になります。この時点では九州に上陸してどこへ行くか決めていませんでしたが、思い立って廃止前の在来線特急かもめを乗り納めする事にしました。海の上でも電波が届く限り、特急列車の指定席の予約が出来るのはありがたい事です。

急遽長崎を目指すということで、この日の船上レストランでの夕食は、長崎名物皿うどんに。

パリパリの麺に、野菜などの具がたっぷりの餡がかかった逸品です。

コロナ禍の平日でもあり、かなり空いていた船上レストラン。

翌朝、7月8日はフェリーの送迎バスで小倉駅へ。在来線のコンコースで軽く朝食を。

北九州名物の、

かしわうどんです。かしわ(鶏肉)の油と出汁が相まって、いい味出してます。

小倉駅から博多駅までは、大分から日豊本線まわりでやってきた青いソニックに乗車。

とんぼ帰りの乗ってばかりの旅、疲れると休み明けの仕事に響くので、ちょっと贅沢して全線グリーン車を利用します。こちらは青いソニックのグリーン車。シートは、革張りです。

九州ネット切符で予約して駅で発券した、長崎までの乗車券、特急券及びグリーン券です。

北九州市内から長崎までの乗車券、

小倉から博多までの、ソニックの特急券とグリーン券、

博多から長崎までの、特急券とグリーン券です。

帰りに博多に寄って帰ることにしたので、長崎での滞在時間は30分しかありません(笑)。

小倉から博多へ向かうソニックからの車窓です。

博多駅に到着。ここでソニックからかもめに乗り換えです。

乗車する列車は、かもめ13号。

九州新幹線が開業するまでは元々博多・鹿児島中央間を特急つばめとして走っていた車両が、これから乗車するかもめ13号としてやってきました。

この車両のグリーン車のシートは、モケット張りです。

 定刻9時55分に博多駅を発車したかもめ13号ですが、折しも鳥栖駅の手前で別列車による人身事故が発生し、線路上に立ち往生する羽目に。その後、列車はずっと止まったままで、結局動き出したのは運行停止から1時間30分経ってからでした。

 列車が動き出した頃は、定刻運行ならとっくに長崎に到着している時刻。運行停止現場から長崎までは1時間30分以上かかるため、長崎まで到達しても折り返し列車には間に合いません。

 仕方がないので車掌氏に旅行中止の相談したところ、途中駅で降りて駅で対応してもらってほしいとの事。

 結局佐賀駅で下車し、駅員氏に旅行中止の相談をしたところ、JRの規定に則って乗車券と特急券・グリーン券の大半を払い戻してくれることになりました。後は自力で戻ってほしいとの事。

 佐賀駅からJRで戻ろうかとも考えましたが、折角なのでルートを変えて高速バスで佐賀駅から福岡の天神まで戻る事に。

 天神からは路線バスで博多駅へ。

 折角博多に立ち寄ったので、いつも博多へ行った時には大抵立ち寄る博多トンテキの店に入ります。このお店の名は、ぎおん亭。博多駅に直結する、博多バスターミナルの9階にあります。

ここで、博多トンテキメガ盛(トンテキ2枚)定食の味噌味を注文。

白いご飯もたっぷり。

味噌汁と、

香の物がついてきます。

香ばしい辛子味噌とガーリックの風味が、食欲をそそります。

付け合わせ野菜の、キャベツもたっぷり!美味しくいただきました。

 この後、博多駅から小倉駅までは新幹線を利用。小倉駅からは阪九フェリーの送迎バスに乗車し、再び今宵も新門司港から阪九フェリーの人となりました。

阪九フェリー『せっつ』の7階ロビー。デラックスシングルを予約しているので、航海中はほぼフェリーの7階に滞在しています。

コロナ禍の平日なので、船内は乗船客もまばらで静かです。夜の間は真っ暗で何も見えませんが、朝になれば瀬戸内海や明石海峡大橋の風景が楽しめます。

その後、お盆を含めてこのような車両の運行を早朝から晩まで5勤1休で日々繰り返し、疲れ果てた頃に再び2日半の連休が取れるチャンスが巡って来ました。このチャンスを逃すと、在来線特急かもめの最終運行となる9月22日まで連休を取れる見込みはありません。

 よって、令和4年8月24日の夕方、

再び、阪九フェリー『せっつ』の人となります。

前回同様、阪九フェリー『せっつ』の7階ロビー。

12時間30分の瀬戸内海の航海中、7階シングルデラックスの自室やこのような場所でのんびり過ごします。

 翌8月25日朝、新門司港に到着し送迎バスで再び小倉駅へ。

小倉から博多までは、大分から来た青いソニック8号です。

前回同様、北九州市内から長崎までの乗車券、

小倉から博多までの、ソニックの特急券とグリーン券、

博多から長崎までの、特急券とグリーン券です。

これらの長崎までの乗車券・特急券及びグリーン券は、九州ネット切符で予約して小倉駅で発券しました。

今回の小倉から長崎までの列車の行程です。

博多駅を発車したかもめ13号は、鳥栖から長崎本線に入ります。

佐賀県最後の停車駅、肥前鹿島を過ぎてしばらくすると、進行方向左手に有明海。

この有明海の長閑な景色を特急列車から望むのは、これが最後となりそうです。

列車は長崎県に入り、海の向こうには島原半島が。

長崎県最初の停車駅、諫早駅はもうすぐです。

有明海の干潟が望めます。

諫早を出発したかもめ13号は、長いトンネルを抜けます。トンネルを抜けると、すぐに長崎の市街地です。

かもめ13号は、今回は定刻に長崎駅に到着しました。

博多から乗ってきた、かもめ13号。

ホームの向かいには、新型の普通気動車列車が停車していました。

この先にもうレールはない、終端駅の長崎駅。新しい高架駅のホームの端からは、港と海が望めます。

長崎駅には西九州新幹線開業を記念する、歴代かもめのポスターがありました。

煉瓦調の壁面が美しい、新しい長崎駅です。

真新しい長崎の駅前です。

新しい長崎駅の構内案内図は、開業間近の西九州新幹線の部分が白い紙で覆われていました。

元々の旧長崎駅の跡地は、再開発が進められています。

以前からある、路面電車が走る大通りを跨ぐ長崎駅からの大きな歩道橋です。

大通りの中央には、長崎電気軌道の路面電車が長崎駅前停留所に停車中です。今回の長崎での滞在時間は、僅か2時間。路面電車に乗って、グラバー園近くの土産物屋へカステラを買いに行くことにしました。

長崎駅前停留所から新地中華街停留所で乗り換え、大浦天主堂停留所へ。そこからしばらく石畳の坂道を歩きます。

坂道の途中には、

大浦天主堂。コロナ禍のため、入場が出来ない状態でした。

もう少しグラバー園の脇の坂道を登っていくと、目指す土産物屋、戸川商店があります。赤いひさしのお店です。ここで売っている『やまさき製菓』のカステラが安くて美味しいのです。
 なんでも老舗のカステラ店で修行された山崎さんが独立して、個人で製造出荷しておられるから美味しくて安いのだとか。種類もハチミツ、抹茶、チョコレート、いちご、キャラメル、チーズと色々あり、小ぶりながら1本600円と破格です。しっとりしていて、本当に美味しいカステラです。

戸川商店 電話:095-822-4895 
〒850-0931 長崎県長崎市南山手町4−9 

元来た石畳の坂道を戻ります。下り坂からは洋館の向こうに海が望めました。

再び大浦天主堂停留所へ。停留所前の川は海と繋がっているため、潮が引くと水位が低下しています。

長崎電気軌道には、バリアフリーの新型電車も走っています。

来たときと同じく新地中華街停留所で系統を乗り換え、長崎駅前に戻って来ました。

長崎電気軌道の路面電車の運賃は、とにかく安い。全線均一で、どこまで乗っても大人140円です。交通系ICカードも導入されていて、交通系ICカードでの支払いに限り指定停留所で電車系統を乗り継ぐ事も出来ます。もちろん乗り継いでも運賃は140円のままです。

赤迫・浦上方面へ、乗ってきた路面電車は
去って行きました。

歩道橋を渡り、工事現場脇の通路を通って、

長崎駅の高架ホームに到着です。

帰りのかもめ24号博多行きは、白いかもめ。博多駅で乗り継いだソニック39号も、この白い車両でした。

かもめ24号、博多駅へ向けて、間もなく発車です。

長崎の駅名盤。奥は、9月23日に開業する西九州新幹線の線路とホームです。

帰りの長崎から博多経由の、小倉までの乗車券と特急券・グリーン券です。

昼食は乗車前に長崎駅で買った、角煮めしの駅弁。とても美味しい駅弁でした。

この有明海の風景も、

海沿いをぐるりと回るこの線路の風景も、

特急の車窓からは、これが見納めになります。

帰りの列車の行程です。

 小倉駅からは、阪九フェリーの送迎バスで新門司港へ。阪九フェリー『せっつ』で神戸へ戻ります。

6階の船内レストランで、夕食をとります。阪九フェリーのレストランは、カフェテリア方式です。

この日の夕食。

ゴマだれ冷やしラーメン、

厚揚げ柚子胡椒味噌、

ライス大盛、

ご飯のお供に、ふりかけです。

船内レストランの食事はちょっと値が張って、上記の食事で1190円です。

翌8月26日朝、神戸六甲アイランドに定刻に到着。送迎バスで、六甲ライナーのアイランド北口駅へ向かいます。

神戸新交通の六甲ライナーで、

海を渡って、

住吉駅へ。JR線に乗り換えです。

途中芦屋駅で新快速に乗り換え。ちょっと奮発して、9号車Aシートに乗車しました。

 同日昼前に、滋賀の地元に到着。乗り物に延々と乗っていた、在来線特急かもめ乗り納めの長崎とんぼ帰り船中2泊の3日間の旅でした。