クリスマスだってさ | on the bed

on the bed

自分のすきなことがいっぱい。
※無断転載はおやめください

クリスマスなんか予定も糞も無いわバカヤローっていう内の一人ですが
一枚(ちょっと前に)描いたやつです。






クリスマスの日。
この日は純粋な子供たち、カップルには特別な日…なんだってさ。

クリスマス当日には降らなかったものの、二日前に降った雪が少し残る裏路地を
スキップまじりで走るガキがいた。
その子はきっとすげぇ純粋なんだ。
決め手はこれと言って無いけどよ…いや、あれだ貧乏だからだ。
貧乏=純粋って決めつけるのもどうかと思うが、純粋なのは間違いねぇ。
だって、裏路地でスキップしてんだぜ?
今時、ルンルンでスキップってのもどうかと思うがな。
え?貧乏ってどこで決めつけたかって?…あれだ純粋そうだったからだよ。

そのガキんちょはぬいぐるみ持ってんだ。
あれじゃねーかな?クリスマスプレゼントってやつよ。
貧乏だから、もらえねーのよ。こういう特別な日にしか。プレゼントっていうのをよ。
オレにもあったなー…あんな日が…。懐かしいぜ。純粋に嬉しかった日が。
…だけど、あの人形は何だ?宇宙人か?ちぃーっとばかりセンスねぇーな…。
クリスマスプレゼントなんざあげたことも無いオレが言うのもあれだけどよ(笑)

こういう特別な日っていうのはテンションもあがるもんだ。
そしたら、好奇心みてーなのも出てきたんだろーよ。
普段は足を踏みこまねーこんな裏路地に来ちまったって感じか。
パーティーのゴミがひっちゃかめっちゃかに置かれて、そこそこの異臭がただようこの裏路地に…。
ガキがスキップしながらくる場所じゃぁなかったな。

若干、まだ酒が残ってる中、オレもよくこんな考察っていうの?
まぁいいか。思考回路がちょっと今日はさえてる。
時間見たら、まだ10:00か。子供はこれくらいの時間から動き出すんだな。
まだ、寝たいがここは寒いな。さっさと家に帰りてぇ。
酔ったらゴミ箱に寝る癖をどうにかしたいぜ。いいかげん。冬じゃ死ぬぞこれ。
ああ、前日にギャンブルで大儲けしてさ。
いい気分で酒飲んで、クリスマスだからって思ってサンタグッズやら買ったんだと思うぜ。
なんで花火を買ったかは覚えちゃいねぇんだけどよ。

んなこと考えてる間に、腹が減ったわ寒いわで。
さて…そろそろゴミ箱から出るかってところで止まってたんだ。

だってよぉ…
今、目が完全に合ってるんだよ。
あのスキップ小僧と。

サンタ帽のせいだろうな。完全に小僧の目がオレにこう言ってきてる。
「な…なんでサンタさんがゴミ箱に…!?」って…
わりぃなぁ…オレはサンタじゃねーんだ。
そりゃ、純粋な子供は驚くだろうな。普通、煙突に突っ込むはずのサンタがゴミ箱にいるんだもんな。

このまま過ぎ去りてーんだが、何も言わずに立ち去るのもなーって思ってんだ。
だけど、ガキがそんな好きじゃなくてよー。
でも、オレも根は優しいから、なんか一言言ってやりてーもんだ。
あ?自分で言うなってか?ウルセー十二分に承知済みだ。

まだ、口をパクパクしてるガキを見つめてそんな時間たってねーとは思うんだが
体感時間は十数分経ってる気がしてならねぇ。
このまま何も言わずにゴミ箱から出るのもアリか…
そう思って一息ついた瞬間だ。

「な…なんでこんなところに…!?」
ってガキが。
予想通りの言葉が来た。やっぱ純粋なんだなアイツ。
この世にはサンタはいねーんだよって言ってやりたかったが
トドメを刺すのも悪いな。
その純粋さはまだ取っておけ、いずれ失うんもんだ。
まぁ、純粋失わない程度の一言は添えてやるよ。

「なぁ、ビール持ってきてくんねーかな?」

そしたら、さっき来た道をガキは全速力で戻っていきやがった。
親にでも話すんかな(笑)
一言しか交わしてないけど(あれは一言交わしたって言うのか?)
悪くはないなこの時間。久々に予想外のことが起こってクリスマスっていうのが楽しかったぜ。