やっぱり銭湯こそ最高。
池袋の繁華な西口から歩くこと10分ほどの場所に僕の家はある。
そんな家から徒歩1分の銭湯は僕の行きつけだ。
あまりやる気のない番台の横を抜けて更衣室へ向かい、そこには風呂上がりで休憩している先客たちがのんびりとテレビを見てクールダウンしている。
更衣室の横にある喫煙所から漏れてくるタバコのニオイまでもが何か心地よい。
ひとたび、浴場に入ると今日も顔なじみの常連たちからは、アーーーーーッ、、、とまるでこの世の快楽の全てを得たかのような声が響く。
はやく僕もそうなりたいと、ケロリン桶と番台からもらえる使い切りのシャンプーとボディソープを持って、サッサと体と頭を流し、お決まりの薬湯へ向かう。
日曜日の薬湯は僕が一番好きなハーブ湯だ。
爽やかな香りの中、冷えた体を薬湯で温め数分もすると汗が噴き出てきてお次は水風呂へ。
体中の毛細血管がグッと引き締まり、思わずアーーーッと他の常連たちと同じ声をあげてしまう。
何回か薬湯、水風呂のセットを繰り返し満足したところで銭湯から引き上げ、銭湯横のコンビニで一本の氷結を買うのが定番コース。
すっかり年の瀬、冷たい夜風に吹かれても、風呂上がりの火照った体にはちょうどいい。昼間の騒々しい西池袋通りも夜も深まれば静かだ。
そんな心地よさを感じながら買ったばかりの氷結を我慢できずプシュッと開けて流し込む。
アーーーッ!!!!誰にも聞こえないように1人快楽の声をあげて徒歩1分の帰宅を楽しむ。
このために生きている
とまで感じるほどの気持ちよさ。
今日は「この銭湯上がりの氷結を飲むために俺は生きている」「んじゃ、もし氷結がなければ俺の人生は何のためにあるのか」
などという最高にしょうもないことを考えてしまった程だ。
おそらく家に着けば忽ち、睡魔に襲われ眠りに落ち、起きればまた仕事が待っている。
朝起きるなり、目ヤニが残る眠そうな顔をしたまま出社しなんとか仕事を終えまた家に帰ってくるのだろう。そして仕事の疲れを癒すべくまた銭湯へ行きアーーーッと声をあげる。
まぁでもそんなもんでいいのかもしれない
そんな毎日を24歳の冬過ごしている。
とりあえず、やっぱり銭湯こそ最高。
