愛する家族 | 風にまかせて

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道端に猫が横たわっていた。


特に外傷は無く、まるで眠っているかの様に。


でも、猫の顔と口の周りには、勢いよく飛び回る虫たち。


少し開いた口、乾いた瞳、何かを言いたげな表情。


はっと、私は思い出した。


あの猫では無いのか…


この場所からほんの150メートル程離れた家の前に「猫探しています」の張り紙。恐らく間違いない。


しかし、その幸せそうな写真からは想像もつかない程のありさま。


腰骨がわかるほどガリガリに痩せていた。


飼い主であろうその家の人に伝えるべきか…


少し悩んですぐ辞めた。


もう死んでいるのである。


きっと魂だけになった軽やかなあの子はすでに愛する家族の元へと帰っているはずだ。