最近では非常に格好良いレスリングシューズが発売しています。子供達が履いているシューズを見ると、こちらまで欲しくなるような素晴らしいデザインや機能です。成長期のお子様の足は、日に日に大きくなります。新しく買ったばかりのシューズでも、すぐに小さくなってしまっては非常にもったいないのも現実です。
私は非常に反省していることがあります。レスリングをされているお子様の親に対して、正しいシューズ選びのアドバイスを何もお伝えしていなかったことです。年ごとに新しいシューズが発売されますが、すべてが良い製品かを知らぬままでいます。
ビルケンシュトックなどのシューズブランドで有名なドイツでは以下のように言われています。
「98%の子どもは健康な足で生まれてくる。60%のおとなは足に障害を持っている。」
つまり足の不健康は後天性な要因が多いと言えます。靴文化先進国ドイツでは、親が子供の足を日頃から注意深く観察して、靴の選び方から正しい歩行まで指導しています。
子どもにとって1センチ大きいシューズは、大人に例えると3センチ以上大きいと言われています。特に気をつけなければいけないことは、適合しないシューズを履いてレスリングなど体重移動やバランスの必要な運動を行うことで、身体全体のバランスまで影響してきます。
例えるならば、水の中でビーチサンダルを履いて歩いたことを想像してみましょう。脱げないように足の指を握るようになります。同様に、大きいシューズでは足を安定させようと、足の指が必要以上に局所に力が加わります。激しい運動によって何度も局所に負荷がかかると癖になります。平行して使用頻度を増すことで慣れが生じて、履きやすいシューズと錯覚してしまいます。
また、ヒモの結び方にも着眼します。子どもの足を形成する骨がどのように成長するのかを調べてみれば分かりますが、安定した足首で競技パフォーマンスは上がります。ゆるすぎたり締めすぎたりすると痛みが出たり、強張りが生じます。
更に通気性も必要不可欠です。日本では子どもの水虫が増えていると聞いています。通気性の低いシューズを履いており、管理もままならない状態では不衛生です。靴はシェアしませんので他人から感染することは比較的低いと思われますが、生活を共にする家族などの感染リスクは高いです。
ここからは私達指導者のこれからの課題でもあります。
■課題1
選手特有のレスリング動きや体重等に合わせてレスリングシューズを選ぶアドバイスを出来るようにする。メーカーやモデルや素材によって履き心地が変わる。そのためには、指導者が一通りのシューズを試着して安全なものを確認する。指導者が安全であると認定したシューズのみをクラブの子どもに履かせる。
■課題2
安全管理の一貫として、クラブにて用具規則を設ける。サイズ、劣化品などの客観的基準を設け、使用不可の判断をする。
■課題3
親御さんに常に子どもの足やシューズの管理確認をお願いする。爪の確認、白癬菌等の感染確認、成長に伴うシューズサイズの適合確認など、判断力の低い子どもにおいては常に管理する方が必要です。
■課題4
練習場に試着品を設置し、各サイズを試着できるように提供する。その場で購入できるよう在庫管理するのが理想的です。
なかなか理想と現実にはギャップがありますが、子供が成長に阻害なく、安全なシューズを使用することが最優先です。経済的負担と言えど、レスリングで必要不可欠な練習着の消耗品はシューズのみです。タックルが思うように入れないのは、お子様のレスリングシューズに原因があるかもしれませんね!そこを指導者目線、親目線でしっかりサポートしていけたら良いと感じております。