突然ですが、皆さん。

2人がどんな状況かわかりますか?

良く観察してください。


これは、先日の刈谷大会でのマットサイドでの一コマです。


よしのぶ(写真右)の決勝戦、相手は3月の全国選抜で対戦した選手で、フォール勝ちをした相手でした。

今回の大会では、得意技を研究され、終始ペースがつかめないまま、延長までもつれた上で、負けてしまいました。その直後の写真です。


では、なぜアキタツ(写真左)も同じような表情なのか。


よしのぶは敗戦後、負けた悔しさよりも、自分の技がかからなかった自信喪失の方が強く見られました。もちろん相手も研究し、必死に練習してきている、そのプレッシャーや厳しさを肌で感じていました。


決勝戦後、大会側から参考試合の話をよしのぶに頂きました。自分より30kgくらい重い相手でした。彼の表情を見た私は、試合をさせられる心情ではないと思いました。しかし、本人からは「やりたいです。」との返事でした。


これまでずっと見てきたよしのぶだから、彼の気持ちも多少は理解できましたし、返事したのも精一杯の私に対する気持ちだったと思いました。


そこで考えました。「この時こそ友情を頼ってほしい」と。困った時、悲しい時、嬉しい時、自分を励ましてほしい時、仲間の存在があるからこそ、解決したり頑張れたりします。

あきたつを呼んできました。2人とも小学6年生、実力はチャンピオンクラス。子ども扱いをしては2人にも分かります。


「あきたつ、よしのぶの対戦相手と試合出来るか」


と聞きました。


よしのぶは一瞬、理解が出来ていなかったが、すぐに目には涙いっぱいになりました。実はあきたつも不甲斐ない試合をしました。彼の表情や行動もずっと見ていました。


「はい。出来るなら、試合したいです。」

と、あきたつ。


よしのぶにとって、予想していなかった答え。


すかさず、


「僕も試合したいです。」と、よしのぶ。



2人で話し合って決めるよう、時間をおきました。

その時の写真です。


どんな話をするのだろうか、

どんな結論を出すのだろうか、

私自身もじっくり待ちました。



・・・・・結果、答えが出ませんでした。



私の中で一番予想していた通りでした。



答えが出るわけありません。

2人とも自分と向き合っているのだから。

自分にチャンスが来たのだから。


2人とも号泣していました。

私は涙をこらえていました(笑)



結果、私の判断で大会から当初のお願い通り、

よしのぶを出場させました。



試合中、闘うよしのぶを、

セコンドの私よりも大きな声援を送るアキタツが

私の横にいました。共に闘っているようでした。



2人とも良い涙だった。

2人とも良い表情だった。

小学6年生にもなれば、心も成長してくる。

大人に反発したくなる。

自分の考えを持つようになる。

しかし、友達や回りを意識するようになる。

大人ぶるようになるし、大人の扱いを望むようになる。

見せかけだけの優しさや、格好良さも見破るようになる。

言葉にも気持ちがこもっているか否かわかるようになる。

子ども達にとって、本当に大切なことを自分達で経験し学べるよう

私自身、これからも全力でサポートしていきます。



スポーツを通じて、子ども達に教えていきたいこと、

自分と向き合うことと、仲間を大切にすることだと思う。

今のキッズレスリングは少し急ぎ過ぎて、

大会結果ばかりを意識してしまう傾向が強い。

そこには子どもの自主性という名の大人の怠慢はないのだろうか。

もちろんメダルを目指して全力で取り組ませたい。

しかし、メダルの色にしか価値観を見いだせず、

子どもが本当に感じていることは見えてこない。

本当に大切なことを、大人の型にはめることなく、

子どもが自発的に向き合い、取り組んでほしいと願います。

保護者の皆さま、ぜひともご理解ご協力お願いします。