今回の合宿には、木口道場より大和、澪央、美乃の3人の選手が参加してくれました。


私が現役を引退し、レスリングから一時的に離れた頃、原点である木口道場に、当時2歳の香里菜を連れて伺いました。いまから5年ほど前です。当時は娘には絶対にレスリングをやらせないと意気込んでおり、ダンスやバレエなどのスポーツ教室を探しているところでした。


はじめて伺った時に、練習を見学していた香里菜が人生初の前転を私たちの目の前で披露してくれた。何度も失敗するなか、繰り返し繰り返し1人で何度も練習して、ようやく成功しました。はじめて前転を成功させたときの香里菜の表情と、私たち両親に対して自信満々な表情で眼を輝かせてコチラを見る香里菜の表情に涙が出るほど感動させられ、すぐにプランは変更し、香里菜にレスリングをさせました。


同時に私は木口道場でアシスタントコーチをしながら、当時小学4年だった美乃や、いつも泣かされていた大和や零央と一緒に練習に取り組みました。その後、FFC設立の話をいただき、木口先生に相談したところ、快諾をいただき、今に至ります。


美乃には文音というお姉ちゃんがいて、いつも勝ち抜きスパーリングでお姉ちゃんに勝てずにポロポロ泣いていました。私には踏み込めない姉妹のライバル心を感じ、非常に素晴らしいなと思いました。そんな美乃はもう中学2年生、合宿で頑張る彼女の表情は、当時の勝ち抜き戦でお姉ちゃんに挑む美乃の良い表情でした。


大和はいまでも「本多コーチ!」と呼びかけてくれ、彼の中ではいつまでも私がコーチとして認めてくれているのかなと思いました。意外にも冷静な彼の一面を見ることができ、合宿中にも「今までの練習で一番つらいけど、なんだか楽しい」と名言を投げかけてくれました。


澪央も大和同様、キツイ練習はいやだなと感じながらも参加してくれた様子でしたが、泣きながらも歯を食いしばって一生懸命取り組んでくれました。重量級の彼ですが、普段は自分より重い選手と練習をしていないとのことですが、FFCにはさらに大きな選手がゴロゴロといることに半分後悔、半分満足の様子でした。



私自身、木口道場でキッズレスリングをしていたため、彼らが何が得意で、何に悩んで、何が必要なのかが分かる気がします。いまはクラブが違えど、やはり"元教え子"ということで、大会で会った時の表情や大会組み合わせなど、いつも気になってしまいます。それは、木口道場が人間性豊かな選手を育成するからです。みんな1人1人、個性があり、悩んでいることがあり、好きなことがあり、子供らしい・人間らしい選手ばかりです。FFCを開設した時も同様に、個性ある選手を育てたいという理念には変わりません。


合宿終了後、最後のあいさつの時、3人の生き生きとした表情はとっても素晴らしかったです。思春期だからか、表情の固かった美乃が、子供らしい笑顔で「ありがとうございました」と言ってきたこと、とてもうれしかったです。美乃と大和の父親は、私がキッズの頃にお世話になった厳しいコーチでした。おそらく、私同様に、小学生から中学生、そして大人への移り変わりを静かに見守ってくれていたのだと思います。継続することは本当に素晴らしいことです。


現在は、勝利至上主義のキッズレスリング界になりつつありますが、選手1人1人の個性をしっかり尊重し、指導に役立てるように、これからも木口道場を見習いたいと思います。木口道場の選手たち、是非とも一緒に練習しましょう!ありがとうございました!



FFCレスリング かんとく の ブログ

2007年2月、木口道場にて。ピンクTシャツが香里菜。