8.事故の当日
●それにしても
交通事故は起こそうと思って起こすものではない
どちらにも非はある
最悪、命に関わる
私は一生忘れることができない日となった
事故を起こす少し前に、携帯で妻と話をしていたのだった
野球の応援に一生懸命になっていた妻は、お昼の弁当を買いに出かけるのがすっかり遅くなってしまっていた
私は電話までして「急がないと間に合わない、なにをしてるのか!」![]()
と腹を立て、語調強く怒鳴っていた
妻も「早くしないと」と思っていながら、追い討ちををかけるようにそう言われたものだから火に油をさしたも同然だった
イライラしながら、急いで帰ってきていたに違いない
私の一言が、事故の原因になったのだ
とても悔やんだ
妻に謝っても謝りきれない
自分の性格を変えないと、自分自身を変えないといけない
やりきれない思いと、自己嫌悪と、後悔と、自責の念と・・・
妻はもう今までの元気な身体ではなくなるのだ
●事故現場に着いた私
川沿いの見通しの良い緩やかな右カーブ
信号が変わり、加速しても事故現場は軽四だとそんなにスピードは乗らない場所でぶつかっていた
相手の車は、スカイラインGT-R、妻の車はアルトBEAM
相手は年齢も1つか2つ下の30代半ば
相手:「私が右折しようとしたら、彼女がブレーキもかけずに突っ込んできた」などと言っている
私:「で、あたなは運転されてたんですか?」
相手:「ええ、そうですけど」
私:「救急・警察には連絡されました?」
相手:「警察は呼んだ」
私:「救急は?」
相手:「警察に電話したから、来ると思う」
私:「警察に電話しても、救急車は呼ばないと来ないでしょう」
相手:「警察に頼んだ」
私:「・・・」
センターラインのないくらいの狭い道なので、右へ曲がるのならさっさと曲がれば、ぶつからない
相手が道をふさぐように止まったから、ブレーキを踏んでも間に合わなかったのだと想像できた
よほどお互い間が悪かったのだろう・・・
事故が起きてから、私が事故現場に到着したのが、妻が電話をかけてきて5分後、いや10分は経っていただろうか
もう救急車を呼んでいれば、とっくに来ているはず(おかしい・・・)
呼んでいるにしても、いないにしても、119へ連絡した
信じられないことに、相手は救急車を呼んでいなかった
後々の事情聴取では、この点を強く警察に訴えた
「運転免許証」道路交通法を遵守すること
もし事故を起こしたら、人名救助が最優先
これは法律で定められなくても、30才過ぎた大人なら判断できるはず
私たちと同年代で、そんな自覚もなく運転していたことに怒りを抑えられなかった
事故をした近辺は民家は少なく、会社の事務所近くで、日曜なので誰もいなかった
通りすがりのおばあさんが一人か二人かいたような記憶がある
それから私は彼に続けた
私:「私は彼女の夫です、状況を詳しく教えてください」
相手:「僕が右へ曲がろうとしたら、すごいスピードでブレーキも掛けずに突っ込んできた」
私:「すごいスピードで来たなら、なんで待たなかったんですか?」
相手:「・・・」
そうしているうちに、救急車が来て、彼女を運び出すのに、狭い軽四の中に大の大人が二人入り四人がかりで車から妻を出し、救急車に乗せて病院へ行った
警察も来た
相手に聞いている
警察「あなた、なぜ右折を待たなかったんですか?」
相手「相手(私の妻)が、すごいスピードでブレーキも掛けずに突っ込んできたから、避けられなかった」
・・・(同じことを言っている)
警察「彼女はブレーキをかけてない? ここへ来て見なさい、タイヤの焦げた臭いとタイヤのカスがよくわかるから、それとブレーキ痕」
相手「でも、すごいスピードだった」
警察「すごいスピードで来たのなら、なぜ待たなかったの?」
相手「・・・・」
警察「相手の車はどの辺から確認していたんですか?」
相手「見通しがいいので、来ているのは分かってました」
警察「どうして右へ曲がったのですか?」
相手「家に帰ろうとしていました」
警察「家はどこですか?」
相手「ここを曲がったら、すぐ近くです」
警察「そしたら、ここは毎日通る道ですね?」
相手「そうです」
警察「では、危険も十分予測できるはずだよね」
相手「ええ、でも・・・」
私の保険会社の担当(先輩)が来てくれた
状況を全てデジカメに撮って、今後の対応をいろいろと確認した
相手の保険会社の担当も来た
見覚えのある人
そう、同じ保険会社のこれまた大先輩だった
大先輩(相手方の保険担当)「どう考えてもお前が悪いんだから、反省しろ」って相手に言っていた
私は、現場に到着してからなぜか非常に冷静だった
その後、私は妻の病院へ行き、先生の説明を受け、命に別状がないことに感謝しながら、身動きのとれない妻を見ながら、今後の生活に対し強い不安と後悔にさいなまされていた
続く
保険会社時代に勉強のために買っていた一冊の本
これが役に立つ日がくるとは・・・
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