要塞?お城?っていう外見ですよね。
実際、犯罪者予備軍をビビらせて犯罪を防ぐため、
中世のお城っぽい見た目にしようという、あえてのデザインだったのだとか。
後に囚人が増えすぎて増築を繰り返し、最後の方はこんなみっしりした感じに。
網走監獄はベルギーのルーヴァン監獄をモデルにしたらしく。
そこは1860年に完成したんですって。
きっとこの刑務所、イースタン州立刑務所をモデルにしてますよね。
イースタン州立刑務所→ルーヴァン刑務所→網走監獄
って流れがあると思うんです私は。
脱線しましたが…
このイースタン州立刑務所が当時画期的だったのは、建築面だけではなくて。
収容システムというのでしょうか、刑務所制度の在り方が新しかったんです。
昔の欧米では、一つの部屋に大勢の囚人を収容し、
身体に苦痛を与える『身体刑』で懲罰を加える、というスタイルだったのですが、
(とりあえず収容してるふうな雑居房)
(身体刑コレクション展示の廊下がありました)
近代になってきて、身体刑はよくないよね、むしろ
『拘束して自由を奪う刑』にしようという流れになり。禁固○年の刑、ですね。
その収容方式として、現在にもつながるのが「ニューヨーク方式」。
囚人を集団で管理し、労役につかせる方式です。死刑もあり。
一方敬虔なクエーカー派(キリスト教の一派)がいたペンシルベニア州では、
「独房で己の罪に向き合い内省をさせるのが更生に一番効果的だ」という考えをとったんですって。
このやりかたを「ペンシルベニア方式」と呼びます。
そのため
完全独房制(個別の運動スペースつき)、さらには水洗トイレとヒーティング完備という、大変にお金のかかる刑務所ができたというわけです。
舎房棟も、廊下の高い天井がまるで教会をイメージしているかのよう。
これは再現された独房の様子。
部屋の奥には完全に壁に囲われた運動エリアもあり。ほかの囚人との接点ゼロ。
刑務所長や監視官の見回りはありつつ、じっと孤独に耐えて内省させることで更生を促そうとしたわけです。
…まあこのシステムは長くは続かなかったそう。
増築も追いつかないほど囚人が増え、維持していくのが難しく、
1913年くらいには既に独房体制を諦めたらしい。
結局雑居房となり、数年して食事も合同でとるようになり…と変化していきました。
そして1971年に、刑務所としての稼働を終え、その後博物館になった、
というのがこの刑務所のお勉強部分です。
それは置いておいて
この刑務所の見どころというかキモは「廃墟感を楽しむ」といいますか…
保存状態が雑というか適当というか、劣化するに任せているので
残された独房、ほぼこういう状態です(これでもだいぶいい方)。
これiPhoneで撮ってるから明るく写ってるけど、実物は暗くてもっと不気味です。
水洗トイレ。自分で流せるわけじゃなくて、1日に何回か刑務官が遠隔で流したそう。
ここから放射状に建物が伸びてます。
3号棟は病院舎房となっていて。
十字マーク。
手術室とか
シャワールームとか
回復室とか
レントゲン室とか
…いや、もっと何とかならんかったんかい! と突っ込みたくなるような保存状況ですw
囚人がどんどん増え、4号棟以降は2階建てで作るようになったりして
特にこの7号棟は、天井がかなり高くなっています。
まあとにかく、似たような建物が入り組んでいて、何がどこやら…
あ、ユダヤ教徒の囚人のためのシナゴーグもあったり。福利厚生よいです。
あと収監された有名人としては、シカゴのマフィア、アル・カポネがいるそうです。
こんなふうに超快適なお部屋に収監する特別待遇だったそうです。再現部屋。
このほかにも、現代の犯罪や刑務所に関する展示とか、
芸術家たちによるインスタレーションもあったし、
私が行ったときには公開されてなかったけど、
狭くて暗い懲罰房とか、死刑囚だけが収監されたエリアとかあるらしい。
ハロウィンの時期はお化け屋敷的なイベントもあるみたいだし
夏場はナイトツアーを設け、敷地内の広場でビアガーデンも開催するらしい。
(多分ここ)
フィラデルフィア市内に住んでいたら、また違った楽しみ方ができるだろうなあと思います。
まあ私はしつこいですけど監獄自体に割と興味があるタイプの人間でしたので、「網走と似てる…!」とか思いながら、大変楽しい時間を過ごせました。
以上、イースタン州立刑務所レポでした。







































