二酸化炭素排出量削減のため国土の2%を風力発電に充てることをドイツが検討
一部転載:
ドイツは2030年の気候・エネルギー目標として、年間約4000万トンの二酸化炭素削減を掲げていますが、近年は自然エネルギー拡大が滞っています。
このままだと、2021年に新たに掲げられた「エネルギーミックスにおける自然エネルギー割合を80%にする」という目標どころか、以前の65%という目標すら達成できない可能性が出てきているとのこと。
ハーベック副首相は、二酸化炭素排出量削減の鍵になるのは風力発電であるとして、再生可能エネルギー法を改正する方針を明らかにしました。
風力発電のうち4GW~5GW規模のものは、民間航空向け、および軍事目的のためのレーダー設置との干渉を理由として不許可となっているのですが、法改正はこの障害を取り除くものになるとのこと。

また、再生可能エネルギーの賦課金も段階的に廃止し、将来的には国家予算で支援を行うことで、低所得世帯や中小企業の負担を軽減する予定だそうです。
このほか、陸上風力発電拡大のためにはさらなる土地が必要となるため、新たに「陸上風力法(Onshore Wind Law)」の立法も検討されています。この法律ができると、国土の2%が陸上風力発電用に確保されることになります。
なお、「国土の2%」という数字はドイツ風力エネルギー協会が「ドイツの再生可能エネルギー目標を達成するのに必要な陸上風力発電の構築に必要な数」と挙げているもので、ハーベック副首相は、もし国土の2%を陸上風力発電に宛てる場合、タービンと住宅との距離の規制をそのまま守ることはできないと説明しています。