専門の重粒子線がん治療から関心が他に移っている間に国内の
情勢が急激に変化してきているようだ。
1,日立が三菱のこの部門を昨年の末に買収したようだ。
記事の見出しは 
”2017年12月31日
世界を狙う日立、見切り上手の三菱電機。がん治療装置の損得
粒子線治療装置事業の買収劇、国内市場の頭打ちで…

とある。
一部転載:
日立製作所が三菱電機の粒子線治療装置事業を2018年4月に買収・統合する。粒子線治療は副作用が少なく治療後の社会復帰が容易なため、世界規模で市場が拡大している。日立製作所は三菱電機からの事業買収で開発などの経営資源を統合し、事業競争力を強化。粒子線治療装置で世界首位の座を目指す。

「IBAの背中が見える。いずれ抜くことも可能」

 「これからは世界。展開するためには集結した方がいい」―。日立製作所の渡部真也執行役常務ヘルスケアビジネスユニットCEOは、三菱電機の粒子線治療装置事業の買収の狙いをこう言い切る。

 世界の粒子線治療装置の市場シェアはベルギーのIBAが40%弱で首位。そこに米バリアンメディカルシステムズと日立が約15%で拮抗(きっこう)する。三菱電機を買収すると日立は約25%となり、単独2位に躍り出る。日立の中村文人チーフエグゼクティブ放射線治療システム担当も「買収でIBAの背中が見える。いずれ抜くことも可能だ」と鼻息が荒い。

 買収の背景にあるのは粒子線治療の広がりだ。世界の粒子線治療市場は年率約10%で増加している。世界で約70施設が稼働しており、今後も年10―20施設の新設が見込まれている。欧米に加えて、今後は中国、アジア市場でも2ケタ近い成長が期待されている。この需要の取り込みには営業や開発などの経営資源がカギだ。

 日立は世界14施設で粒子線治療装置の受注実績を持つ。がん治療で著名な米MDアンダーソンがんセンター(テキサス州)など北米の主要の医療機関で稼働しており、アジアでも香港養和病院、シンガポール国立がんセンターなどで受注している。またIBAの牙城である欧州でも受注を獲得した。世界で販路を広げているが、経営資源は逼迫(ひっぱく)する状況にある。

 そんな中で三菱電機が最適な相手に浮かび上がった格好。粒子線治療装置の分野は専門的で深い技術的な知見が求められる。専門人材が限られる中で、三菱電機の粒子線治療装置事業に関わる約100人の人材は魅力だ。「三菱の人材は即戦力」(中村チーフエグゼクティブ)となる。

2,一方、重粒子線治療の草分けの野田耕司ひきいる放医研は重粒子あらため
量子メスというキーワードに切り替えて、装置の小型化とマルチイオンとレーザー加速を
つぎの目標にセットしたらしい。
その技術的詳細は昨年秋の加速器学会の発表にある。
量子メス開発に向けた取り組み
PASJ2017 THOL03
TOWARD THE DEVELOPMENT OF QUANTUM KNIFE
白井 敏之#, A), 岩田 佳之 A), 水島 康太 A), 野田 悦男 A), 稲庭 拓 A),榊 泰直 B), 西内 満美子B), 近藤 公伯B), 野田 耕司A)
A) 量研・放医研, B) 量研・関西研

計画は10年で
第4世代で4Tの超電導シンクロトロンを
第五世代でシンクロトロンをやめレーザー加速器の
完成をめざすという。
超電導磁石はいまから38年前に私がFermilabにいたころすでに4.5Tのものをつくっていたので、古い技術といえるかもしれない。ヘリウム無しということであるが回転ガントリーの経験もありこれはできるだろう。
一方レーザー加速は現状で陽子で43MeVなのでレーザーイオン加速がはじまってからだいぶたっているのにまだそれくらいかという感想をもつみきもおおいだろう。400 MeV/u となるとまだまだ先の技術だろう。