地震がおきたときに私、お茶飲まず博士は東大工学部の研究会で大きな会議室にいて
会議中に2回もそとに避難した。その夜は交通手段がなくなったのだが
東大工学部の管理部は非情にも参加者や東大職員を自分の力で早く帰れと放送でみな
構内からおいだしてしまった。
しかたなく私は帰ろうとするも帰れず、都内の高校の講堂で一泊、自宅についたのは
翌日の夜遅く。
以来、2ヶ月余り、原発事故の対策や状況把握、情報発信に日々明け暮れてきた。
その間、事故の対応にあちこち働きかけたり市民科学者の提案などもして、
福島事故の対策に貢献しようとしたが、どこもだれもほとんど動かす事はできなかった。

わたしの古巣のKEKの人たちは自分らの回復にいそがしく、原発の対策なのはもってのほか。
放医研はひとり若い人が研究所の規制に嫌気がさし、個人で活動をはじめたことが後の
NHKの報道でわかった。
大学時代の集まりの組織を土浦つくば地区につくろうという動きが少し前からあり
声をかけたが、なんの関心もないようだった。
わたしが評議員をしている財団にも働きかけたが何もおこらなかった。

さて、お茶飲まず博士こと私がいま一番畏れているシナリオのひとつはというと
文科省の発表した全国汚染マップと原発付近の汚染マップである。
後者は放射性核種のデータの不在か隠匿。
前者は日本全国にわたる深刻な汚染の疑い。
ほとんど全域にわたって400 マイクロSvが文科省の汚染マップだ。
これにはいくつか疑義がある。
測定点が少なめにでるように仕組まれている可能性が高い。
KEK などはコンテナハウスのなかなので地面へのフォールアウトの効果が過小評価。
また地表とモニターのしているところでは大きくことなる報告が多い。
地表は数倍から10倍なのだ。
東京新宿のモニターにいたっては十数メートルのところのモニター値だ。
これらは外部被曝に結びつき他の場所でも測定値がすくなくでるように操作されている例が
少なくないだろう。
内部被曝は外部被曝の10倍くらいという。

いったい何がこれからおこっていくのだろう。
まずできることは個人の被曝量をデジタル線量計で計っていく事だ。
いままでの線量計では人手が必要で読み取り数も限度があり、人手もかかるが
デジタル線量計
であればこれが個人レベルに可能になり、並列処理が可能となり、低コストで大量の
追跡が可能だ。追跡という意味はデータの読み取り時に位置情報を入力できるからだ。
これをインターネットの環境がつかえるところなら、いつでもだれでも、読み取りが可能と成る。
このように私たち一般市民はみずから、防衛をしないといけない。
ただ、政府のいうままに、羊のように従っていたら、
取り返しのないことになってしまう。