巷の八十老人さんからの投稿です:
フランスには何故原発事故に対応できる技術があるのでしょうか?
フランス大統領と原子力エンジニアリング会社であるアレバ社の社長が日本に来て、管総理はフランスの技術で福島第一原発事故の少なくとも放射性廃液処理の技術に頼ることを表明しました。
正確には福島第一とは異なりますが、日本でも運転されている加圧型軽水炉を主力して国の電力の80%電しているフランスには、なぜ日本にない事故対応技術があるのでしょうか。
理由を考えるのに、日本が原子力の安全性を考えるとき基本姿勢について問い直す必要があると思います。青森県六ヶ所村で建設され運転開始のための試運転を行っている日本原燃サービス株式会社の軽水炉使用済燃料再処理工場は多額の技術料を支払ってフランスとの技術提携で設計され、フランスで運転されている再処理工場の経験に基づいて建設されたことは良く知られています。それでは、六ヶ所再処理工場は100%フランス技術に依存しているのでしょうか。
少なくとも一つは、フランスの再処理工場における「最大仮想事故」は、「高レベル廃液貯蔵タンクの冷却能力喪失」を原因として、高レベル廃液が蒸発固化し、さらに崩壊熱で高温になり、同位元素が風下に拡散するという事象でした。しかし、日本の再処理工場における「最大仮想事故」は臨界事故に係わるものであり、「臨界」は制御不可能な核反応を意味するために大変にオドロオドロしいですが、臨界事故を発生させない技術はよく確立されたものであって安全性を確保する手段は説明しやすいものであると言えます。
現在運転されている軽水炉や、現在計画中の軽水炉では最大仮想事故が冷却材喪失事故になっていますが、現在福島第一原発で起こっているような対応できない性質の電源喪失は想定されていません。若し、実際に事故が起これば想定外として説明されることになります。私は、フランスの軽水炉における最大仮想事故がどのように設定されているか知識はありませんが、少なくとも、フランスの再処理工場の場合には、とにかく冷却能力が喪失する原因なにであれ、回復できない電源の喪失を考慮せねばならず、まさに現在福島第一原発で起こっていることを想定しているのです。従って、フランスで再処理工場を建設し、運転するには、この最大仮想事故にどう対処するか計画するだけではなく、実際に技術が使える手段があることも保証されている必要があります。
これが、フランスがチェルノブイル事故を含む世界の原子力事故に対応し、今回の福島第一原発の事故に直ちに対応できる体制を持っている理由だと考えます。
日本の最大仮想事故は、現有で、実績があり、経済的にペイする技術と方法で対処でき、従って安全だと説明できることが簡単なものに限られており、それを安全審査する学会も監督する官庁も、原子力利用の推進という大義名分の陰で迎合していたことが今回の悲劇を生んでいると思います。政府は一度お墨付きを与えると、お墨付きと矛盾する手立ては余計なこととするに止まらず、国の方針に従わない反逆者として扱うのです。フランスのように真正面から立ち向い、必要なあらゆる技術開発に努力していたら今回の事故は防げたかもしれませんし、被害をより小さくする可能性があったに違いないと考えます。
今、傷で苦しむ人の腹の中をかき回すようなことはしたくありませんが、幸いにして苦しみが納まったら、全ての反省して、世界に対してあるべき姿を表明してほしいものです。
フランス人のお手並みを見守るしかないかもしれません。しかし、日本にも、政府や学会に正当に評価されて来なかった技術が沢山あると考えます。この際に、東電には物の本質を見定める能力が残っていないかもしれませんが、政府は過去のしがらみを捨て、偏見を捨て、早く実行できるものから試してみるべきです。国民は火事場泥棒を目論んではいません。儲けのためでなく、国のために役立ちたいと真剣に考えているのです。
典型的な水戸っぽである私の友人の言葉をそのまま借りて結びとします。
「この国難のときに可能な限りの提案をしてみますが、今や誰もがパニック状態であり、無視されてしまう可能性もあると思います。しかし、提案しないで後悔するよりはましです。」
巷の八十老人
フランスには何故原発事故に対応できる技術があるのでしょうか?
フランス大統領と原子力エンジニアリング会社であるアレバ社の社長が日本に来て、管総理はフランスの技術で福島第一原発事故の少なくとも放射性廃液処理の技術に頼ることを表明しました。
正確には福島第一とは異なりますが、日本でも運転されている加圧型軽水炉を主力して国の電力の80%電しているフランスには、なぜ日本にない事故対応技術があるのでしょうか。
理由を考えるのに、日本が原子力の安全性を考えるとき基本姿勢について問い直す必要があると思います。青森県六ヶ所村で建設され運転開始のための試運転を行っている日本原燃サービス株式会社の軽水炉使用済燃料再処理工場は多額の技術料を支払ってフランスとの技術提携で設計され、フランスで運転されている再処理工場の経験に基づいて建設されたことは良く知られています。それでは、六ヶ所再処理工場は100%フランス技術に依存しているのでしょうか。
少なくとも一つは、フランスの再処理工場における「最大仮想事故」は、「高レベル廃液貯蔵タンクの冷却能力喪失」を原因として、高レベル廃液が蒸発固化し、さらに崩壊熱で高温になり、同位元素が風下に拡散するという事象でした。しかし、日本の再処理工場における「最大仮想事故」は臨界事故に係わるものであり、「臨界」は制御不可能な核反応を意味するために大変にオドロオドロしいですが、臨界事故を発生させない技術はよく確立されたものであって安全性を確保する手段は説明しやすいものであると言えます。
現在運転されている軽水炉や、現在計画中の軽水炉では最大仮想事故が冷却材喪失事故になっていますが、現在福島第一原発で起こっているような対応できない性質の電源喪失は想定されていません。若し、実際に事故が起これば想定外として説明されることになります。私は、フランスの軽水炉における最大仮想事故がどのように設定されているか知識はありませんが、少なくとも、フランスの再処理工場の場合には、とにかく冷却能力が喪失する原因なにであれ、回復できない電源の喪失を考慮せねばならず、まさに現在福島第一原発で起こっていることを想定しているのです。従って、フランスで再処理工場を建設し、運転するには、この最大仮想事故にどう対処するか計画するだけではなく、実際に技術が使える手段があることも保証されている必要があります。
これが、フランスがチェルノブイル事故を含む世界の原子力事故に対応し、今回の福島第一原発の事故に直ちに対応できる体制を持っている理由だと考えます。
日本の最大仮想事故は、現有で、実績があり、経済的にペイする技術と方法で対処でき、従って安全だと説明できることが簡単なものに限られており、それを安全審査する学会も監督する官庁も、原子力利用の推進という大義名分の陰で迎合していたことが今回の悲劇を生んでいると思います。政府は一度お墨付きを与えると、お墨付きと矛盾する手立ては余計なこととするに止まらず、国の方針に従わない反逆者として扱うのです。フランスのように真正面から立ち向い、必要なあらゆる技術開発に努力していたら今回の事故は防げたかもしれませんし、被害をより小さくする可能性があったに違いないと考えます。
今、傷で苦しむ人の腹の中をかき回すようなことはしたくありませんが、幸いにして苦しみが納まったら、全ての反省して、世界に対してあるべき姿を表明してほしいものです。
フランス人のお手並みを見守るしかないかもしれません。しかし、日本にも、政府や学会に正当に評価されて来なかった技術が沢山あると考えます。この際に、東電には物の本質を見定める能力が残っていないかもしれませんが、政府は過去のしがらみを捨て、偏見を捨て、早く実行できるものから試してみるべきです。国民は火事場泥棒を目論んではいません。儲けのためでなく、国のために役立ちたいと真剣に考えているのです。
典型的な水戸っぽである私の友人の言葉をそのまま借りて結びとします。
「この国難のときに可能な限りの提案をしてみますが、今や誰もがパニック状態であり、無視されてしまう可能性もあると思います。しかし、提案しないで後悔するよりはましです。」
巷の八十老人