CCTLのNさんから
イーエムキューブという会社がデジタル加速器を開発して重粒子線治療にのりだすという
奇妙なニュースがあるときいた。
デジタル加速器という命名もひとをくっていて奇妙だが今回は
トリウム原子炉とむすびつけているところがあたらしい。
その結びつけはただしい方向なのだが、デジタル加速器というのが変だ。
記事の内容は:
2010年6月1日
イーエムキューブ株式会社
イーエムキューブ、加速器のデジタル化に成功
~電力・エネルギー関連装置、放射線医療装置での新展開~
プロセス制御・機器開発のイーエムキューブ株式会社(本社:東京都港区、代 表取締役:上野雅敏)は、分散型加速器(デジタル式荷電粒子加速器)の開発に 成功したことを発表いたします。
【分散型加速器 概要】
従来型加速器が大電力高周波による加速電場発生に対し、分散型加速器は高圧 直流電圧のデジタル制御です。イオンビームパルスの軌道制御もデジタル方式 で行います。最大のメリットは「約60%の高加速効率」と「消費電力が従来の 約10分の1」という、地球環境にやさしい加速器です。
<電力・エネルギー分野向応用製品>
1.プルトニウム燃料式原子力電源(開発コード:ヒドラ)
■僻地、離島などに設置するオンサイト型原子力電源。船舶にも搭載可能。
■加速器駆動型未臨界炉による高安全性・低価格。本質的に暴走せず、人為的 に暴走させることも不可能。装填プルトニウム量が少なく密度も薄く1基分の 核燃料から核爆弾を製造するには高度な技術と多大なコストを必要し、事実上 不可能。
2.プルト二ウム燃料式電力備蓄装置(開発コード:カロン)
■分散型加速器による核変換炉(ウラン238をプルトニウム239に変換)
■余剰電力を備蓄する発電所内設置の電力備蓄装置。
■設置面積が小さく建設費用も安い。電力備蓄効果が高い。蓄積容量10MWクラ スの装置を製品化するが、ニーズによっては100MWクラスの装置を開発する。
トリウム燃料式電力備蓄装置の開発にも着手。
<医療分野向け応用製品>
1.粒子線/重粒子線がん治療装置
■分散型加速器により照射速度5万スポット/秒を実現。
■高性能化(治療時間の短縮)と低価格化(初期投資、維持費)。
■呼吸で動く臓器へのスポットスキャニング治療が可能。そのため治療時間が 短縮され患者の負担を軽減できる。また、スキャニングポート数(治療室の数) を増やすことができ、治療できる患者数が増える。
今後、電力・エネルギー、医療分野、産業分野にも分散加速器を有効利用がで きる応用製品を提案し各業界の革新を図ってまいります。