個々の患者のがんの「いわゆる放射線抵抗性」の理由と
程度が十分に予知 (prediction)できていない場合には、
 高い局所制御率(TCP)を得るために、
RBEの高い重イオン線を使用するのが最も安全である。
なぜならば、重イオン線は、線量分布が良い上に、
(A)OER(Oxygen Enhancement Ratio)が小さいので、 
   低酸素腫瘍細胞に対する殺細胞効果が大きい。
(B)細胞周期(cell cycle)による放射線感受性の差が小さいの
   で、放射線抵抗性のG1-S期の細胞にも治療効果が大きい。
(C)亜致死障害 (sublethal damage+PLD) からの回復 を抑
   制するので、殺細胞効果が大きい。

第8回重粒子医科学シンポジウム、森田博士より