このグラフは手術と放射線での治療成績の比較を前立腺の場合で比べたものです。
非再発率が治療後8年間(96ヶ月)にどの程度あったのかを3つのケースで示しています。
手術が真ん中の黄色で、手術をした場合8年すれば再発しないひとは約60%、逆にいうと40%のひとは再発しています。
重粒子線では
の場合では、どこまで、幹部に照射できるかを、しらべるために72グレー(放射線量の単位)より
多いか少ないかを基準に二種類に分けています。
照射の際には風船をからだに埋め込んで、幹部を押さえつけて、動かないように工夫しています。
こうすることで、より正確に照射して、正常部に少なく、腫瘍におおく照射ができるようにします。
もちろん重粒子の生物細胞へのがんと正常部の違いが大きなポイントになっています。

さて、72グレー以下ですと2年くらいまでは、再発は少ないのですが、そのあとだんだん悪くなってきて
3年をすぎると手術よりも悪くなってしまいます。
4年後にははっきりと手術よりも再発が増え、二人に一人は、重粒子線といえども再発してしまいます。

ところが、72グレーを越えた照射ですと、はっきりと一番成績がよいことがみてとれます。
8年経っても
7割のひとは再発がありません。
他のケースのダータがないので、本当に72グレーがベストかどうかはわかりませんが
苦痛のおおい、手術よりも、痛みのほとんどない治療成績が好まれるのは理解できます。

最先端治療(がん・ガン・癌) と重粒子線治療-手術と放射線


“通りすがり”のかたから拡大すると放射線とかいてあるので
重粒子線ではないという指摘がありましたが、
これは重粒子線の医師の発表でしたのでやはり重粒子かもしれません。
あとで、確認してみます。
....
確認作業の結果、
X線の強度変調、通称、IMRT が正解のようです。
ただし、強度変調では81グレー以上かけています。
このとき重粒子は66グレー。
重粒子のほうがQOL はいいはずです。

表2 放射線治療後の非再発率

施設 放射線治療 線量 症例数 有害反応(Grade2以上)
(治療前PSA>20ng/ml)
(1) 従来のX線治療 67~77 189 51%
(2) 3次元原体照射 >76 232 26-63%
(3) 強度変調照射 81~86.4 772 81%*
(4) 陽子線 75 643 57%
放医研 炭素イオン線 66 182 80%
(1)MD Anderson Hospital、(2)Fox-Chase Cancer Center、(3)Memorial Sloan Kettering Hospital、(4)Loma Linda University
*3年非再発率

http://www.nirs.go.jp/report/nirs_news/200402/hik8p.htm