放射線治療の技術革新は
X線から陽子線、陽子線から炭素線
という粒子(光も粒子)の種類の改良がめざましい。

このいずれにも共通の課題であり
技術革新のテーマは

どうやって、複雑な形状のがんに正確に
ねらいうちができるかだ。

見方をかえれば
がん以外の部分をどのようにして
放射線をあてないようにするかだ。

テクノロジーがすすめば進むほどいままでの
治療の
欠点が世にさらされてくることにもなっている。
のもしかたがない。

たとえば、
多門照射のIMRTでは
9門照射での例もある。
(門というのは腫瘍にあてる方向をいい、9門照射とは
9つの方向から腫瘍にむけた照射することをいう)

重粒子線では
ブラッグビークという性質のよいビームがあるから
2門から4門のあいだでの治療が一般的だ。

それではなぜ、重粒子で9門照射の方向にいかないか?
回転ガンとリーが入手できなからだろうか?

それなら陽子線では回転ガンとリーがあるのに、
やはり9門照射などやっていない。
何故か?

どうやら
粒子線の治療をおこなっている医師は
2次がんの発生の可能性を気にしてるような気がする。

多門照射は一見、正常部にはあたっている放射線の線量は少ないように
みえるが、それは2次元の線量分布の表現をしてる場合がおおいので
はっきりとそのことがみえないからだ。

9門照射すれば正常部にあたる総量の放射線は変わらない。たんに、ちらしているだけで、
けっして減っていないのだ。
その2次がんへの評価がはっきりしていないのだ。
そのへんを
X線をつかった医師は議論をぼかしているようにみえる。