放射線の治療は
放射線の違いによって
1)ガンマ線、
2)X線、
3)陽子線、
4)中性子線、
5)炭素線
に大別されます。
これ以外にも
パイ中間子線
ヘリウム線、
ネオン線などもあるのですが
少数です。
ガンマ線とX線はあわせて 光子(プォトン)として
一緒にされることもあります。

これらを
放射線医のだれもが認めている比較というのはまだ
ないようなのです。

というのは比較するときに
ある病気に対して、
さいころをふるようにして、医師の専門や好みや意見にかかわりなく
ランダムに
これはX線、これは陽子線という風に
患者に治療法をわりあてて、その結果の治療成績を
比べて初めて治療効果の優劣がきまるというのです。

これはいうほど簡単ではありません。
お医者さんはさまざまな理由でそれほど治療の選択の自由がないからです。
大部分の放射線医は装置の価格もやすく普及している
光子しか使えません。
また粒子線の治療装置をもっているところでは
それが可能な気がしますが、
粒子線のほうがすぐれていると考えていれば
当然、粒子線を勧める機会が多く、他方の光子の治療の数が少なくなります。

というわけで
医師の多くは(重粒子線について知識が不十分でしょうし)
”臨床的には陽子線と重粒子線のあいだには差がない”と考えるヒトがおおいのです。
陽子線の治療を担当しているお医者さんもそう考えているようです。

一方で重粒子線で治療している放医研のお医者さんは重粒子線一辺倒です。

兵庫県の留意線センターの場合は、当初から
陽子線と重粒子線との比較を行うという話をきいていましたが、
いままでのところ、そのような気配はないようです。
その理由は単一ではなく、複雑なようです。

ちなみに、ヨーロッパでは陽子線と炭素線とそのほかの粒子の比較をおこなうという意思はあるようです。
臨床的な結果という場合、
病気の種類ごとに何百人の臨床結果が少なくとも3年以上は必要になるので
たとえば二十種でおのおの300百人必要とすると
20x300x2(陽子と炭素)x3(年)=36,000 人
の患者を必要とします。

普及型といわれる施設では年間500人くらいの患者しか
想定していないので1箇所でしかできない場合は
36000/500=72年?????
必要?
10箇所で てわけをすれば7年?
(そんなことはしないでしょうが)