ブラッグピークと...

粒子線のプラッグピークはブラッグが発見した現象だと思いますが、実は多少複雑です。
まずこれは物理の現象ですが、がんの治療では生きた様々な細胞に照射します。炭素イオンのように陽子よりも重い場合には、その効果は強調され、その程度はRBEの値で示されます。炭素イオンが体内でとどまった位置でその効果がもっとも大きく、幸運にもRBE＝3といわれています。陽子の場合は対応する場所でRBE＝1.1です。なぜ、RBE＝3になるかというと結果としてそうなっているが、その機構はきちっとわかっていないようです。大きな原因の一つにはラジカルがおおきく寄与していると推察されていますが、これが生成されるからいいのか消滅されるからいいのか、はっきしていないようです。また物理現象としては、fragmentation という現象による中性子の発生が害になるという定性的な問題もあるようです。さらに二次電子も生成されその影響もきちっと評価しないといけません。