一人では無理と自嘲しながら、昨日と同じ日が怖くて動く。
誰かの汗と涙を借りて文字だけの世界を可視化する。
そこに眠っているのは夢に置いてきた世界。
それは泡のようなもので、目を凝らすとぼやけて表現できない。
出会った物から派生するのか、補完されるのか。
きっとどちらでもある、どこかで起きた光景かもしれない。
追いかけても掴めない、立ち止まれば遠ざかる。
探し求めている光景のはずなのに、
記憶で着色され、原型を思い出すことが出来ない。
どこかの物語では
それはかつて持っていたものでその時には
もう手に入らない、という悲劇があった気がする。
生きた証も一つかみしか残らない。